第6話:あんま話進んでないような扉
あらすじ
・能力・・・だと・・・!?
・バッギャ――――z___ン!
・帰れない・・・!
俺、これからどうすればいいんだろう・・・・・
「それでこれからあなたはどうするの?」
神社の中から霊夢が声をかける
「・・・」
「・・・聞こえてるー?」
「へっ?ああ、なんですか?」
「話を聞きなさい」
「すんません・・・」
俺は今まで自分がしてきた生活はそんなに特別ではないと思っていたが、幻想郷に来て、それも帰れないと分かり、初めていつもの生活が恋しいと思った。
「一応外来人の対処をするのも私の役目になってるから、あなたを当てもなくふらつかせる訳にはいかないのよ、要するに衣食住をどうするのかっていうこと」
「それは大丈夫」
部屋の中でレミリアが言った
「紅魔館で預かるわ、外来人が一人増えたって大丈夫よ」
「そう、ならいいわ」
こんな身寄りのない状態で住むところがすんなり出来るのありがたいことである。というかレミリアが言い出さなかったら自分でお願いしてた。
「その分こき使うけどね」
薄々気づいてたがやっぱりであった。
「ああ、あとその能力だけど」
霊夢がこっちを指差し
「最初のほうは能力自体のエネルギーで何とかなるようだけど、一定量使うとあなた自身の体力を使うことになるわ、回復にもいくらか時間がかかるから無理して使うと、死ぬわよ」
「え、は、はい」
「というかあんまり変に使って、厄介ごとは起こさないように」
なんだかやっかいな能力を手に入れてしまった気がした。まあ、能力をその一定量使わなければいい話なんだが、少々不安になった。
「それじゃ、帰ろうかしら」
レミリアが表に出てきた
「あんまり面倒なことは持ってこないようにしてよ」
すでに面倒そうな顔で霊夢はレミリアに言った
「分かりました~」
咲夜さんがまたレミリアに日傘を差して、歩き出した。そして俺もそれに続き、博麗神社をあとにした。
―――――その後、日も暮れ始めた頃の博麗神社
霊夢は神社の掃き掃除をしていた。すると霊夢の前の空間が割れ、そのスキマから紫が出てきた。紫は少しあせった様子であった。
「霊夢、能力者がこっちに来たみたいなんだけど」
「ああ、遅かったわね」
「遅かった、ってもう来たの?」
「あら、あんたの事だからもう分かってて来なかったと思ったんだけど違うの?」
「ん~、始めは何かもやもやしたものが入ったのは分かったんだけど、どこにいるかさえなぜか見つけられなくて」
「ふーん、まあそんなに害を出すような奴でなかったし、能力を持っててそれについて警告もしておいたわ」
「そう・・・」
「どうかしたの?」
「何か胸騒ぎがするのよ、それが入ってきたときから微妙に幻想郷が変な空気になってるし、それに見つけることもできなかったのも気になるのよ」
霊夢は思い過ごしだろうと思ったが、その「胸騒ぎ」が後に大変なことになるとは・・・