闘神マルクス
アイオライトとマリエルと歩いていると、ガタイの良い魔術師がこちらを見ている。
「闘神マルクス!!」
闘神マルクス?
知らないな名前だな。
「おぉ!!アイオライトとマリエルではないか!そして…貴方はアルセイル様ですか?」
「俺はお前に名乗った覚えはないが?」
「関係ありません。アルセイル様は俺に救いを与えてくれた神のような方ですから。」
アルセイルは訳がわからんといった感じでマリエルに説明を求める。
「彼はいわゆる落ちこぼれ魔術師と言われてました。魔法の適性が防御魔法系しかなく、魔術で戦うには余りにもどうしようもなかったのです。アルセイル様の本を読むまでは。」
俺の本?
確かにいくつか魔術に関する本は出しているが…
「でも、それが何が関係あるんだ?」
「あるんですよ、アルセイル様が得意とする魔術。無情な魔術を参考にした魔術を開発しました。それを極めて、彼は闘神と呼ばれるまで学生の大会では上位の成績を出すぐらいには強いんです。」
マリエルの説明を聞くにはこの目の前の男は俺を崇拝していると聞く。
ただ、何故俺だと分かる理由が判明していない。
「何故、俺がアルセイルとわかる?」
「俺はアルセイル様の魔術を参考に自分専用に魔術を改良しました。だからこそ、わかるのです。その魔法を発動した残滓が残っていることに。それを成せるのはアルセイル様しかいないと。」
はっ?俺の魔力の残滓を察知したのか?
察知されたことなんてないぞ、それこそその辺はしっかり対策している。
「バカな、対策はしているから感じることはまず出来ないだろう。」
「いいえ、隠していてもわかるのですよ。その場になくても、その残滓を受けた人間が近くにいるので。」
そうか!!俺にはなくても、マリエルが魔力の残滓を受けていてバレたのか。
「だとしても、普通は感じることは不可能だぞ。」
「おっしゃる通りです。ただ、俺はひたすら鍛え続けた。だからこそ、わかるのです。その魔力の残滓を見分けることくらいは。」
マルクスはこちらを熱い瞳を向けている。
あぁ、これは戦いたくてウズウズしている目だとわかる。
「お前も相手をしてやる。行くぞ、」
ファンタズムフィールドへ。
ファンタズムフィールド
「さぁ、基本はお前から来い。あるんだろう?闘える手段が。」
「はい!『アームド』!」
マルクスは防御魔術を展開する。
ただ、俺の知るプロテクトとは違う。
腕と足回りだけ展開している。
まるで鉄のガントレットとレギンスように。
アームド?
「で、お前の展開している魔術は何が凄いんだ
?」
「凄くはありません!ただ硬いだけです!」
魔眼で確認すると、確かにプロテクト系の防御魔術としてはあり得ない硬いようだ。
まて、こいつ…
「お前…アブゾープと同じ理論を防御魔術に組み込んでいるな!?相手ではなく空中にある魔素を取り込んで魔術に転用しているな!?」
「流石はアルセイル様。見ただけでわかるのですね。」
俺のアブソープは相手と空中にある魔素を取り込むことが出来るが、防御魔術の中に空中に取り込む仕組みだけ転用したのか。
防御魔術だから簡単に組みやすくしたのというのか。
更に、こいつは身に付けている魔装具で何かしているな。
「で?それで何を魅せてくれるんだ?」
「私は大したことは出来ませんでした。なので、たどり着いたのはこれでした!」
刹那、アルセイルとの間合いを一瞬で詰めてくる。
咄嗟に殴り掛かってくるので、攻撃をいなす。
「まさか、お前…魔術を使ったインファイターか!?」
「そのとおりです!」
防御魔術を攻撃にも転用している。
更にアブソープを発動しているが、相手の魔力を奪えない。
『アームド』で生成されたバリアは高密度な魔力で練られているためか、相手に対しては意味がない。
今気づいたが、相手の魔力は恐ろしく少ない。
本来であれば魔力切れしてそうな感じだが、きっと魔力を回復し続ける機構があるはず。
その一つが『アームド』。
シンプルに厄介な相手な気がするな。




