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賄さんが出て行って3時間くらい経った。 俺はその間映画を観て過ごしていた、賄さんと居れるのは嬉しい誤算だったけどこうしてひとりで居るのもなんだか久しぶりな気もして新鮮だ。



というか賄さんも冷静になったらここに来る必要ないじゃんとか気付きそうだ。 ついこの間までは賄さんにとっていろいろ精神的にも大変だったから考えが及ばないだけであって自宅に戻ってしまえば冷静になるかもしれない。



時計を見ると16時30、夕飯とかの準備を考えると戻ってくるとしたらそろそろだろうか? 



だが待てど暮らせど戻ってこなくて18時を過ぎた。 



これはもう決定的なんじゃないか? そりゃそうだ、仮にも女の子が…… ましてや好きでもない男の家に居たいか? それはまずない、クラスでは普通でも裏の顔は変態でこういう状況をいいことにイタズラとかされるかもしれないし。



ほら、さっきのパンツのことだってある。 いや、俺はそんなことする気サラサラなかったんだぞ?



でも気を付けていてもそういう間違いはあると思う。 間違いがあるからと言ってなんでもありというわけにもいかないし。



しかも俺やってもらう体質だったから賄さんが来て俺も色々考えてて洗濯物がどうとか今の今まで気付かなかったろ? 畳んで置いてあったのをいつも通りと手に取ってたわけで無意識に手を取っていた自分が今では恥ずかしい。



俺と賄さんの洗濯物しかない状態で賄さんは俺のパンツを畳んでいたってことだよな? 厄介になるからといってそれはそれで嫌だっただろう、そんなことも考えないでどこが大人なんだ俺?



もう賄さんは戻ってこない気がしてきた。 そう思い悶々としていると……



ガチャリと玄関の扉が開いた。



「帰ってきたんだ……」

「え? 何が?? あ、それより遅くなってごめん。 夕飯の買い物してきたの、ネギとかなかったなって思って」

「そ、そうなんだ。 あ! それより高野とは?」

「うん、大丈夫だったけど」

「けど?」

「…… 男子っぽい匂いがするって言われた」



そりゃあ俺の家に何日か居て洗濯物も一緒ならそうなるかもしれない。



「俺って臭いのかな?」

「そんなことないと思うけど」



そう言って俺に顔を近付けてクンクンと賄さんが俺の匂いを嗅ぐ。



「って……」



首筋の辺りに顔が来たので俺は賄さんのサラリとした髪の毛が顔に当たったので恥ずかしくて思わず身を引いてしまった。 



それと同時に香る賄さんの匂いは俺の匂いとは違う感じがした、まぁ自分の匂いは自分にはわからんけど賄さんの匂いはほんのり甘い良い匂いだってことは確かだ。



「ち、違くてどんな匂いなのかなって思っただけだよ、気味悪そうな顔しないで」

「気味悪がってないよ、それに賄さんの匂いもそこまで悪くないっていうか」

「微妙ってことだよね、はぁ〜、わかってるよ。 それより夕飯すき焼きだけどいい?」

「う、うん。 すき焼きは好き」

「じゃあ急いで作るね」



賄さんはキッチンに行き支度を始めた。 俺も何か手伝うことあるかウロウロしていると賄さんの邪魔になりリビングに座っていた。



家に戻ったのによく帰ってきたなぁと思って具材を準備をしている賄さんの背中を見る。 



後ろ姿だけ見ると長い髪にスラッと細い身体は身長が高いだけに余計に細く見える。 それに雰囲気も料理してるからなのか余計に大人っぽい。



それに比べると俺はちんちくりんだ。 クラスでも前から6番目くらいの身長というなんとも言えない背の高さ。 まぁ一応成長期だから伸びしろはあると思うんだけどなぁ。



「もうすぐだから」

「え? あ、うん」



俺の視線に気付いて早くしろとせがんでいるように見えたのかそう言われた。



「出来たよ、食べてて。 あたし帰りに家からいろいろ持ってきたからお風呂場にシャンプーとか置いとく」

「ああ、それじゃいただきます」



うーん、やっぱり俺と似たような匂いを醸し出してるのはマズいからその方がいいだろう。



それよか普通に話せてて良かった、パンツの件で少し気不味くなっちゃったしな。 それにやっぱり帰るなんてなっちゃったらうちの親に俺が賄さんに何か嫌がるようなことして帰らせたみたいに思われちゃうし。 つーかそれは2人きりにさせる親が悪いけど。



風呂場から戻ってくると賄さんは少し疲れたようにテーブルの椅子に座った。



「大丈夫?」

「大丈夫。 って何が?」

「なんか疲れてるように見えたから」

「…… やっぱしーちゃんに秘密事して遊んだからかな?」

「あのさ……」



そんな風になるなら家に戻ったら? と言い掛けた。 俺的には居てもらってなんの不自由もないし美人な賄さんだから嬉しいところもあるけどここに来て嫌な思いとかそういうのは望んでない。 



俺と2人きりになるとさっきの件といい気不味くなることもあると思う、うちの親が戻って来たらどうするか再度検討するのも悪くないかもしれない。 



2人が旅行に行ってる間その分のお金とかも渡されてるし賄さんと俺で分けて賄さんは自分の家でゆっくり考えてってのもありだと思う。



と心の中で語ったが目の前の俺を見る賄さんを見ていると言葉に出せなかった。



ほんと俺は思い切りが悪いというかもし賄さんが「そうしてみる」なんて言ったらどうしようとか考えてしまっている。



「何?」

「あ…… なんでもない。 すき焼き美味しい」

「?? そっか」



それ以上会話はなく黙々と食べて風呂に入った。



風呂場に賄さんが持ってきたシャンプーとトリートメント、ボディソープがあったので匂いを嗅いでみた。



これが賄さんの匂いか……



ちょっと使ってみようかなと思ったけど絶対バレると思ったので戻していつも使っている物を使った。




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