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31 防具のアドバイス

明日は更新お休みすると思います。少々お待ちをっ・・・。

ウィリアムさんの工房はもう作業をしていないみたいで、金属音は全く聞こえてこなかった。

時間遅くなってしまったか・・・。


これは引き返した方が良いだろうか?




立ち止まってドアの前で考え込んでいると、唐突に扉が開いて驚く。



「あ!やっぱりカケルさんだ!こんばんは!」


「っと、こんばんは、エイダン君。よくわかりましたね、もしかして作業中断させてしまった?」


「いえ!カケルさんの匂いがしたから、つい。今は晩御飯の準備を始めようとしてたところなんで大丈夫ですよ。あ、どうぞ今師匠呼んできます!」


「お邪魔します、慌てなくて大丈夫ですからね!」


「はーい!」


タタタタタッと走っていくエイダン君に思わず声を掛ける。

尻尾振り過ぎてどこかぶつけそうだよ?大丈夫なんだろうけど。


そして私の匂いってなんですか。私、匂うんですか・・・?

いや、獣人ってことで鼻が効くんだろうけども。


思わずスンスンしちゃう私。




「カケル。どうしたんだ」


「こんばんは、ウィリアムさん。今日はちょっと防具についてアドバイスを貰えたらな、と思いまして」


「・・・アドバイス。俺で分かることなら喜んで」


エイダン君に手を引かれてやってきたウィリアムさん、なんか少し雰囲気変わったね?

なんというか、柔らかくなった?


座ってくれ、と案内されて同時に腰を下ろす。




「相談といっても大したことでは無いんですけど。ある程度お金が溜まっているので防具を揃えようと思うんですが、イマイチどういったものを選べば良いか分からなくて・・・。まだ全然レベルも上げていませんし、戦闘スタイルも確立していないので、万人向けで初心者向きのものって何か心当たりあります?」


「・・・基本的に初心者とか、普段そこまで戦闘行為をしないような人達は、大体胸当てとすね当てを揃えるくらいだと思う。採取とか採掘行くような人達とかな。素材は革製のものがほとんどだな。せいぜい小手とかくらいか、金属製のものは。俺もほとんどのストックは胸当てと小手だな、あとは[格闘士]とか向けのすね当てとグローブくらいか」



ふむ、胸当てとすね当て、小手で革製か。



「確か・・・カケルは[剣士]だったな?【大剣術】とか【盾術】とかは持っているのか?」


「いえ、【長剣術】だけです。あとは【棒術】【杖術】【ナイフ術】ですね。先程ブランドンさんには[剣士]っぽくない構成だと言われました。自分でもそう思います」


「・・・そうだな。いや、すまん。しかし・・・そうだな。基本誰かとパーティを組まず、接近戦特化なら防具はあった方が安心かもな。肉弾戦も視野に入れているなら、やはり胸当て、すね当て、小手くらいは揃えても損はないんじゃないか?」


「そうですね・・・。ではその方向で考えてみます。ちなみに金属製でなく革製のものが多い理由って何なんです?」


「単純に重くて、高い。それが理由だ。ここら辺の地域だと魔物は弱めだから、そこまで防御力特化にする必要も無いしな。それにこの街だと、鉱物よりも皮の方が手に入りやすいというのもある」



なるほど。

やっぱり流通も関係してくるのね。そうなるとこれからはもっと革製品が安くなるのか?

たしか、食堂で兎肉が大量って言ってたもんね。プレイヤー達がこぞって討伐している影響で。



「カケルも、最初は革製品のほうが良いと思う。今はまだ何も付けていないんだろう?防具を付けると、最初はどうしても阻害される違和感があるから、多少柔らかい革で慣れてから金属製にするかどうか決めていくと良いと思う」



ウィリアムさん、防具について話すときはものすごい流暢に喋るね、さっきから。

さすが防具鍛冶師。


「ありがとうございます。おかげで具体的にイメージ出来てきました。ちなみにですけど、ウィリアムさんは革製品は取り扱っているんですか?」


「・・・微妙?革と金属が半々くらいのものなら自分で作る。革が8割くらいのものなら、部品だけ卸してて、実際の作成は革職人だな」


なるほど。

住み分けがあるのね。



「革製品を買うなら、レザードの店に行くと良い。あそこは既製品でも中々質の高いものを扱っているから。少し値段は張るけど。場所は街の中心の広場より少し北側の所にある。雰囲気がいかにも高級そうな地域に入る手前の所だ」



北側っていうと、あの代官屋敷の手前ってことかな?

マップで確認してみると、しっかり店の前を通っていたみたいだ。ちゃっかり表示されていた。



「ありがとうございます、マップに載っているので迷う事は無さそうです。今度行ってみます」


「ん。力になれたなら良かった」



軽く胸を張るような仕草をするウィリアムさんがカワイイ。

それを見てエイダン君も「ふふぅーん」って真似してるのもカワイイ。



本当にこの師弟関係は微笑ましいものです。









ウィリアムさんとエイダン君と少し雑談して、そろそろ晩御飯を作るという事だったのでお暇した。



さて、昨日は一切訓練する時間を取らなかったから、今日は訓練しておこう。

せっかく小太刀も手に入ったことだし。また何かスキル取れたら良いなぁ。

あ、でも杖と違ってあんまり知識無いから難しいかな?

あんまり型とか知らないんだよなぁ。





訓練場に入ると、またしてもプレイヤーの姿はなく、指導員はノーランさんと女性が一人。

受付の前にはあれだけ人が居て、なぜこっちには居ないんだろうか・・・?


まだ存在気付いていない人が多いのか?もったいない。





「ん?おう!えーっと・・・カケル!カケルだったよな?名前。また訓練しに来たのか?」


「こんばんは、ノーランさん。名前合ってますよ、またこんな時間になってしまいましたけど、ここ使っても大丈夫ですか?」


「おう、もちろん良いぞ。あれから何かレベル上がったりしたか?」


「ええ、スキルレベルも上がりましたし、スキルも新しく取得しました」


「ほう?良いじゃねーか。スキルレベルを上げんのは中々大変だが、やらねーと後で苦労するからな、ちゃんと磨いておけよ」


「ええ、もちろん。むしろ私、まだ一度もまともに外に出ていないので、レベルは1のまま、先にスキルで迷走しているくらいです」


「ぶっ!お前まだ外出てねーの!?珍しいやつだな?異人はあっちこっち行きたがるもんなんじゃねーのか?」


「・・・やっぱり珍しいですか。私的には今は魔物討伐とかよりも、街中クエストのほうが楽しいので・・・。黙々と作業すると結構ストレス解消になるんですよ」


「はぁ~。信じらんねぇ、俺には絶対無理なやつだわ、それ。俺が黙々と出来るのは訓練くらいだもんよ、基本戦う事以外不得意なんだよなぁ」



そのムキムキの体を見るとそんな感じします。

このガタイで掃除とかゴミ拾いとか、ものすごく違和感ありまくり。




「アンタがゴミ拾いとかやってたら、思わず笑っちゃうくらい似合わないものね」



あれ、私声に出しちゃった?



「うるっせーな!ヘレナ!似合わないってなんだよ、そんなのお前だって似合わねーじゃんか」


「なっ!どういう意味よ!アタシはアンタと違って戦闘馬鹿じゃないわよ!?」


「馬鹿って何だ、馬鹿って!」




どうやら私の心の声を代弁してくれたのは、訓練場にもう一人いた女性だったっぽい。

手には弓矢を持っていることから、おそらく弓関係の指導員だろう。


ヘレナさんと言うらしいこの女性は、遠くで見かけた時は気付かなかったが耳が少し尖がっていてとても整った顔立ちをしている。

輝くような金髪は後ろで一つに結われていて、鼻筋の通った美しい顔。

整い過ぎて逆に特徴が無いくらい。


おそらくはエルフ族なんだろう。プレイヤー以外では初めて見た。


しかし、この二人仲良いな。

なんか、あれだ。恋愛小説とかに出てきそうな、鈍感なスポーツマン男子と幼馴染のツンデレ美少女的な。美少女っていうか、美女だけど。




とりあえず二人の喧嘩?じゃれ合い?いちゃいちゃ?が止まらないので、訓練でもしていよう。



前に訓練した時に取得した【鍛錬用武具】これを試しておきたい。

説明を見る限り、鍛錬用にしか使用できない武具でデフォルトの形は長剣だけれど、槍にしたいとか棒にしたいとかイメージすると形が変わる。

盾と剣に分離したのは驚いた。


材質は木製だけれど、耐久値が存在しないタイプでいくら使っても壊れない仕様。便利だ。


これイメージしたら木刀にもなるかな?





なりました。

京都のお土産屋さんとかで見るような、結構お高めな方のちゃんとした木刀。


これは・・・刀剣系のスキルゲットの道のりが近くなったかも。


早速素振りしてみよう。

振ってみてわかったのは、これ木刀の重さじゃない。真剣の重さだ。

材質は完全に木材で刃も付いていないのに、結構ずっしりとしている。


いざ真剣を使った時にズレが無いように、重さやバランスが考えられているっぽい。素敵仕様だ。

そう考えるとある意味、特殊アイテムなんだろう。さすが初回特典。




このまま木刀の素振りをしてても良いんだけど、実際の刀が手に入るのはまだ目途が立っていないので、今は長剣に戻して素振り。

【長剣術】のアシスト的に体重をしっかり乗せていくのが正しい動きっぽいので、それを意識して動いてみる。


ちょっとだけアクロバティックな動きとして、一瞬片手で振ってみたけど、重くて剣に振られてしまったので、すぐ両手に戻した。

ステータスが上がったら、片手でも振れるようになるかな?








「って、なんでお前は一人で黙々と訓練してんだ!止めるとかしろよ!」


え?いや、ねぇ?夫婦喧嘩は犬も食わないって言うじゃないですか。




「無駄に話しかけられるのは嫌いだけど、ここまで興味持たれないのもそれはそれで面白くないわね」


いちゃいちゃしてる中には飛び込む勇気が無いんです。




「だって訓練しに来てるんですもん。他人がイチャついているのには口出さない信条ですし、馬に蹴られて死にたくないので」



「「イチャついてない!!」」




仲良いなぁ。








お読み頂き有難うございます。

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