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日銀からお金をもらう
分かりやすくお金を発行するには刷りたての紙幣を誰かにあげればいい。この場合主語は日銀になる。お金を刷っているのが日銀だからね。まあ、でもふつうはこんな風にお金が発行されることはない。その貰った誰かが得をするわけだからね。それはそれはもめることになるだろう。じゃあ、ふつうはどうなのか。日銀がお金をふつうの銀行に貸す。こういう形で通貨は発行される。「え、貸してるだけじゃん」と言いたいだろう。その通り、貸しているだけだ。でも銀行があなたにお金を貸すのとは違う。銀行があなたにお金を貸す時はあなたに渡す分だけのお金を減らさないといけない。何を当たり前のことを、と思うだろう。でも日銀は違う。日銀に残るのは記録だけだ。どの銀行に貸したか、いくら貸したか、利子はどれだけか。これらが記録されただけで銀行はお金を渡される。「返さないといけないんでしょ?」と思うだろう。その通りだ。でも起きたことだけを見てみれば「銀行は日銀からお金をもらい、誰かに貸す」そういうことだけが起きたのだ。