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それであなた、その紙切れ、どうしますか
すごいですねあなた。あなたの書いた借用書が価値を落とさずぐるぐる世の中をめぐるんですよ。架空の話ですけど。まあ、そのうちあなたの書いた借用書はあなたの前に戻ってきます。借用書に書いてある金額を渡してくれと言われるでしょうね。あるいは持ってきた人があなたに借金とか渡す必要があるお金があるんならそれと相殺してもいいですね。借用書を持って来た人は喜んでそれに応じてくれるでしょう。
さあ、やっと戻って来ましたよ、紙切れが。世の中をめぐりめぐって。大人気の紙切れです。だってすごいんですよ。まるでお金みたいに扱われたんですよ。書いてある数字どおりの価値を認められて人から人への渡り歩いて来たんです。それは絶対に有り得ないほどの価値のある、大切なものであることを示しています。あなたがなんども「ありっこない」と思った通り。
そしてついに、あなたの前にやってきました。
それであなた、その紙切れ、どうしますか。