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近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)  作者: 赤点 太朗
前日譚(第零章) 異界の冒険
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0-17 あちらとこちらの世界

本日夜にもう一話投稿します。

「存在しないって? どういう事だい? 国が滅んだって言うのかい?」


「いいえ。初めからこの世界には日本という国は無い、という事です」

「初めから無い? 在りもしない国から来たって、言っている事が矛盾しているじゃないか」

「いえ、この世界には(・・・・・・)、です。日本は此処ではない別の世界にある、という事です」

 タカエとレイは混乱した。

 まぁ、当然だろう。

「この国のある世界とは別に、もう1つの世界があります、日本という国がある世界。どちらの世界からも、もう一方の世界は認識出来ない。交わる事がない。たぶんですが、そういう事だと思います」

 サークヤは両手で拳を2つ作り、ゼスチャーを交えながら説明した。


「全く別の世界……か。そんなものがあるんだね」

「そうね。そんな訳の分からない所から、サークヤも祖先たちも来たのね」

「別の世界なのか、同じ世界の別の星なのかまでは分かりませんがね」

「別の星? 星って、夜空に浮かぶ星の事か?」

 ん? もしかしてこの地が星の上だって分かってないのか? とサークヤは察する。

「そうです。その星です。我々の立っているこの地は、星の上なんです」

「「星の上!?」」

「はい。無数にある星の中の一つなんですよ。括りは違いますけど、太陽や月も星の一つですね」

「な、なんと……」

「ベングリオール大陸が星の上に……」

 タカエもレイも絶賛絶句中だ。

 サークヤもこれ以上の説明は怪しくなってくるので、程々にしようと決める。


「そうだ、聞きたい事がまだたくさんあるんですが、あと一つ良いですか? 刀の技術を絶やしたくないって言ってましたけど、テリオさんが持ってる武器も”刀”ですよね。あれってここで作ってるんですか?」

「まぁ、そうだな。此処でしか作られていないはずだ」

「作っているところを見せてもらう事は出来ませんか」

「それも簡単には見せられんぞ? 門外不出だし、何よりこの里を守らなければならないからな」

「そうですか……。すみません、一度見てみたいと思っただけですので」

 興味本位で聞いてみただけだったので、特に問題はなかったのだが、サークヤの顔が暗くなったのに気が付いたレイが問う。


「サークヤ君のいた日本では、刀を作っているところを見られなかったの?」

「実際には見た事は無いです。作ってはいましたが、刀匠はかなり少ない筈です。何しろ持って出歩く事は出来ませんでしたので」

「持ち歩く事が出来ないって、どういう事?」

 レイが聞くが、普通に剣等の武器が手に入るこの世界では考えられない事なのだろう。

「武器は全て厳しく規制されていて、持ち歩くのはもちろん、手に入れる事も難しかったですね」

「武器が無いって、身を守れないではないか」

 タカエが困惑して、そう問う。

「個々で身を守らなければならない程の危険はありませんでしたし、守ってくれる組織もありました」

 警察も消防も自衛隊も良い仕事をしてくれる。

「信じられない事だが……嘘は言ってないようだねぇ」

 タカエがサークヤの目を見て溜息を吐く。


「でも、サークヤ君は熊を一人で仕留めるくらいの腕があるって聞いたわよ」

「それはまぐれです」

「しかし、剣は使えた。違うかい?」

「あちらで剣道という競技をしていました。それと旅の間にテリオさんんに稽古を付けられましたので」

「剣道?」

「加工された竹を剣に見立てて、それで打ち合い技を競い合う。それが剣道です。規則の中で行う事で、怪我もなく競い合えます」

「なるほどな。その剣道とやらで基本を学び、テリオに鍛えられた……という事か」

「はい、そうです」


「まぁ、今日はこの位で良しとしておこうか。どうせテリオは、この冬を此処で越すつもりだろう」

「そう聞いてます」

「また都度、話せば良い。刀鍛冶の件は聞いといてやろう」

「はい! お願いします」

「それと二人とも、別世界の話は里の外ではもちろん、里の者にも口外禁止だよ。話が大きすぎるからね」

「「は、はい……」」


 まだ時間はあるから話は何度もできるだろうと、共に思うサークヤとタカエであった。



難産中の難産でした。

丸ごと二度の書き直し(三度目のこの文も途中で二度程書き直し)をしたにも関わらず、この内容...ゴメンナサイ!

こんな事は初めて。

ボツ原稿×2・・・消すのが悲しい(;∀;)

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