0-12 鉱石探し
サークヤにとって、力を持った光る鉱石の話は衝撃だった。
元の世界では、力を持つ石なんて宗教か詐欺くらいしか思いつかない。
他は磁石とか物理法則に則った物くらいだろう。
それが、水に宿る力、地に宿る力なんて、眉唾以外の何物でもない。
光が見える者見えない者がいる事、離れると光らなくなる事……本当なのか。
とても信じられる話ではなかった。
太陽や月の光を反射していて、見る角度やそこから動かす事で反射率が変わるとか、だろうか。
実際に見てみたい、と思う。
そうすれば、何か分かるかもしれない。
「山や川で、力が溢れている場所なら、見える人には光って見えるわよ。里では春先によく見るんだけど、里の外では滅多に見ないわ」
「まあ、偶にだが見る事もあるって程度だな」
「なんや、サークヤは見た事あらへんのか。ほれこそ珍しいがね」
「たしかに。子供の頃の方が見えるって話なのにねぇ」
「僕の所ではそんなのは見られませんでしたからね」
「え゛! ほうなんか?」
「おいおい、そんな場所があるんかよ」
「確かに、大陸では聞かない話ね?」
「里ならたんと見えるがや」
信じられないという顔で答える三人。
それからも、サークヤはなかなか鉱石を見つけられなかった。
そこでサークヤは、次の発見時にそのままの状態で呼んでもらえるように頼み込む。
そして……
「何が分かるんだ?」
「いや、それをこれから考えるんです」
「「「???」」」
キラキラした小さな鉱石が見つかった場所は、木の下だった。
森の中だ、木の下なのは当然だが。
サークヤは周囲の草の中まで探るが、何も手掛かりはない。
手を顎につけ、考える。
ふむ。
上を見ると、枝の先に何かを見つけた。
「誰か、あそこまで登れますか?」
「ほんじゃぁ、わしがいこか」
荷物を下ろし、ひょいひょいと登って行くターク。
器用だなぁと思っていると、目的の枝に辿り着く。
すると、タークが何か叫んでそこに手を伸ばした。
手に取ったそれを腰の袋に突っ込んで降りてくる。
「でかしたで! サークヤ!」
何事かとテリオとシーナが、タークの腰の袋から取り出した中身を見ると……
「なっ!」
「どうして!?」
鉱石が2つ。
「やっぱり。たぶん、鳥がどこかの鉱脈から拾ってきたんでしょう。キラキラした物は気になりますからね、エサと間違えたのかも知れませんが」
へぇ~と唸る3人。
「でも、これで此処の手掛かりは途絶えました。鳥が相手では、鉱脈が近場か遠くなのか分かりません」
近くのような気がしますがと付け足す。
曖昧な情報で無駄に捜索範囲を広げるのは愚策だ。
道なき森の中という事も考慮しなくてはならない。
そうするだけの価値と準備があれば良いのだが、4人にはそこまでの余裕はない。
「鉱脈……ねぇ。そんな所があるのか。知らなかったなぁ」
3人で唸りながら頷く。
「次も同じように周囲を探しましょう。手掛かりが掴めるかもしれない」
それからも同じように周囲を探すと、何度か木の上に鉱石を見つける事が出来た。
「う~ん」
サークヤが難しい顔で唸る。
「どうしたんだ?」
「いや、今までずっと鳥が一因でした。他の可能性はないのかと」
「他の?」
「地上の動物が集めている可能性です。それが見つかれば、鉱脈に近付けるかも知れません」
「動物か……う~ん、巣を見つける方が早いのか?」
「そうですね……収集癖があったり、好奇心旺盛な動物の方が良いかも」
そして見つけたのはリスの巣の中。
「小さいな」
「小さいわね」
「小さいなも」
「いえ、手掛かりの一つです。周囲に鉱脈のある可能性があります。鳥の巣から盗んできた可能性もありますが」
「じゃぁ、周囲を探してみるか」
「リスであれば行動範囲は精々2、300メートルでしょうから、周囲に岩場や崖が無ければ諦めましょう」
「なるほどな」
結果はハズレだった。
「でも、今までよりは見つかる率は上がったよな」
「そうなも」
「そうね」
ちょっとは貢献できたのだろうか、そうサークヤは思うのだった。




