0-11 光る鉱石?
翌日一日は休息日にして、翌々朝の出発とした一同。
村人がこぞって土産に色々と持たせようとしたのだが……
「いや、こんなに持てないって」
明らかに多すぎだった。
元々、山での収穫が多過ぎて、村に少し分けた位だ。
出発の時に見たのは、村人総出の見送りだった。
……ナニコレ。
一同、心が揃った瞬間だった。
「さて、鉱石でも探しながら、一度里に帰るか」
「里?」
「ああ、3人共、同じ里なんだ」
先程の村から南に少し下って、後はひたすら東に行った先にある村だそうだ。
「サークヤも当然来るよな」
行く先も無い身だから、他に選択肢など無い。
コクりと頷く。
そうとなれば話は早いとばかりに道を外れて行く3人。
ここまでの道は広い狭いはあったが、ちゃんと人が歩いた形跡のある道だった。
しかし今は、森の中。
人の通る道どころか、獣道すら怪しかった。
道なき道を進む。
今頼りなのは、3人の経験と勘であった。
サークヤには道も鉱石も分からない。
ただ3人のやる事為す事を見て覚える事だった……のだが、頭で覚えようとする事はあまり覚わらなかった。
「仕方ないわねぇ。ほら、これを見て。色合いと形の組合せで見分けるの。例えばコレはターナケルト。コッチはミヒルハコン」
「……宝石みたいですね。綺麗だ」
「ほうせき? 聞いた事ないわね。サークヤの国の鉱石?」
「……宝石と鉱石の違いが僕では分かりません。でも、これをカットすれば知っている物に近くなると思います」
「カット? 加工するの? それも聞いた事無いわよ? どんな国よ、あなたの国は」
「……腑に落ちない点がありますが、なんとなく探し方が分かりました。間違っているかも知れませんけど」
サークヤが周囲を見渡す。
ない。
そう都合よくは見つかるまい。
移動中に気にするようにすれば、いずれ見つかるだろう。
数日経ってもサークヤは鉱石を見つけられなかった。
他の3人はと言うと、数個は見つけていた。
ただ小さな石ばかりだった。
そうそう都合よくはない。
でも日銭にはなる。
そうして3人は稼いでいた。
「鉱石って、いったい何ですか?」
基本的な事だが、この世界の事は何も知らないサークヤは疑問に思った。
地球での鉱石は鉱脈という場所で掘り出されるものとの認識があるのだが、3人は森の中に転がっているそれらを拾っているだけだったからだ。
「鉱石って言っても色々とある。ただ綺麗な物。溶かせば鉄になる物、力が宿る物、とかかな」
「力が宿る物? ですか」
「力が宿る鉱物は、術者がたっこう買うてくりゃあすなも」
「どういった物なんですか?」
「う~ん、説明が難しいわね。術者は知ってる?」
「……いえ」
「術者は、その地や水とかに宿る力……遥か昔は”神術”と呼ばれていたらしいけど、それらに働き掛けて、その宿る力を増幅させて効果を高める事の出来る人たちの事ね。水は綺麗に保とうとする力、地は植物をより育とうとする力、だっけ?」
シーナがそう答えつつ首を傾げるが、同じようにテリオやタークも、そうだっけ?と首を傾げる。
「確か何にでも力が宿っているって話だったかな? 力の大小はあるみたいだが」
「その力を増幅する……んですか?」
「そう言われてるけど、胡散臭いと言って信じない奴は多いな」
「そうねぇ、おかしな儀式をしているだけにしか見えないしねぇ……」
その、力を持った石がどんな物かと見せて貰おうとしたサークヤだったが……
「滅多に採れなくてね。何処にあるのか、どんな物なのか、全くの謎なのよ」
「ええ!じゃあ、どうやって見つけるんですか?」
「どうも、光るらしいの。でも、その光が見える人は少なく、その場から持って離れると光らなくなる。そんな石らしいわ」
「見える人が少ない?」
「術者は見えるらしいんだけど、その他で見る事の出来る人は滅多にいないらしいわ。珍しいと言われる所以ね」
「光る……鉱石か」
へぇ、と訳の分かったような分からないような、曖昧な返事をするサークヤであった。
少し書き溜めが増えたので、水曜と土曜あたりに2話投稿しようかと思ってます。
書き溜めが無くなってきたら1話づつに戻します。




