2-7 旅路中の問題
旅の行程は順調だった。
勇者たち3人は、初めての動物狩りに躊躇はしなかったものの、流石に仕留めるのに苦労していた。
それぞれ隣に補助を置いて徐々に慣れさせていき、じきに隊員と遜色ないレベルにまでに至った。
要領を得るのは上手いようだ、教えれば吸収していく。
同時に連携の確認も兼ねての大型動物の狩りもこなしていく。
だが、旅には慣れていないらしく、それなりに苦労していた。
特にミカは、討伐隊唯一の女性、しかも年頃ということで訓練中と一緒のようにはいかなかった。
男どもでは気を付けようものの、気の至らない事も多い。
主に寝所、湯浴み、トイレに、食事事情だ。
何れも男とは異なる生態を曝さなければならない事となる。
寝所は、男女を一緒には出来ないとはいえ、一人にもできない。
従兄妹のシンジですら例外ではない、いや、むしろ危険である。
ではどうするか。
中心にミカのテントを、周りを固めるように男のテントを張り、何かあれば”裸に剥いて道端に吊るして死ぬまで晒す”という条件付きにて解決を図った。
湯浴みやトイレなども、いわずもがなである。
ノゾキなんてもってのほかであるのだ。
特に食事事情においては、一種のストレス解消の機会であるはずが、男どもの脂ぎったコテコテの食べ物ばかりで、何の解決も見ないのである。
「もっとあっさりした物を要求する! 野菜も食わせろ! できれば甘味を所望する!! 女心の分からないお前らに未来はない!!!」
時々癇癪を起こし、シンジが宥めるのが恒例行事となっていった。
よくシンジの方が耐えられるなと思ったが、幼い頃から一緒にいたらしく慣れてしまったとの事だ。
だが、こう続くようでは、せっかく上がった隊員の士気に影響する。
どこかでガス抜きが必要だ。
幸い、次の滞在先には温泉がある。
ここで少し長めに時間を取り旅の疲れを取る事としよう。
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失敗した。
さっさと宿を出ればよかった。
離れないのだ、快適すぎて。
多種の甘味まで揃えられた上流旅館を選んだ時点で負けは決まっていたのだ!
若い年頃の女子には毒であった。
ココを離れれば、また辛い旅路が待っているという現実から逃げたいので当然である。
久し振りの女性ともあり女将とえらく仲良くなってしまい、もう一泊、いや三泊すると言って聞かない。
必要な行為だったとはいえ、溜息しか出ない。
シンジに相談し、日持ちするお土産用の甘味を大量に買い込み、エサで釣ることで漸く目的地へと足を向けることに成功したのであった。




