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近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)  作者: 赤点 太朗
第二章 勇者と呼ばれた異世界人
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2-5 変化

 驚いた。


 道具屋サリオースから持ち込まれた武器の脅威的な性能に。

 その性能を見た隊員および他の道具屋たちの士気の上がり方に。

 そして……今まで、まるでやる気を見せていなかった勇者たちの、その目つきの変わりように。


 今までは喧嘩を吹っ掛けてくる時以外は全くやる気を見せていなかった。

 俺たちを喧嘩相手として見る目は、単に遊び相手として見る目だった。

 それがどうだ。

 今では自ら進んで訓練に勤しんでいる。

 活き活きしているのだ。


 隊員にしてもそうだ。

 今までは死にたくないが為にしていた訓練だったが、今では絶対倒してやると積極的に剣を振るっていたのだ。

 消極的から積極的。

 守りから攻め。

 諦めから希望へと明らかに変化している。


 持ち込んだサリオースの若者は、去り際に竜の情報が少ないことを気にしていた。

 本当にこれで良いのか。

 この剣で竜の皮膚を貫けるのか、と。


 そうだな、実際に戦って生還したという者もいなければ、そういった文献も残っていない。

 残っていない事もないのだが、詳細が全く分からないのだ。

 心配になるのも仕方がない。

 だが安心してほしい。

 これほどの性能なのだ。

 あとは俺たちが何とかしてやる。

 それだけの士気を高めてくれたのだ。

 俺には不可能だった。

 どれだけ発破をかけても、ここまでの士気は上がらなかった。

 何より、これならイケると思わせてくれるのだ、この武器が。


 俺だって回りと変わらなかった。

 上からの命令でこの特別討伐隊の隊長を任命されたが、死に戦だと直感的に感じていたのだ。

 それが今では、倒して必ず帰ってくるという明確なビジョンを浮かべる事が出来ている。

 そう、帰ってくるのだ。

 大事な家族を残して逝くなんて事は出来ない。

 しかしこの武器があれば確実に家族の元に帰る事が出来る、そう思わせてくれる。


 サリオースには感謝してもしきれない恩となるだろう。

 おそらくだが、これを考えたのは店主のケーブではなく、あの黒髪の(・・・)若者だろう。

 説明を聞いてなんとなくだが納得した。

 ”似たような硬さの物をいくら尖らせてもいずれ綻びが出る。であれば硬さを変えてやれば良い。”と。

 柔らかいモノ対柔らかい刃、柔らかいモノ対硬い刃。

 ただ硬くするのでは駄目、脆くなる。

 今まで使っていた剣は”柔らかい鈍器”だと言う。

 対象物より柔らかい、だから刃が立たない、跳ね返されるのではないかと。

 分かり易い。

 おそらくそれだけではないのであろうが、相手に合わせた言葉で説明してくれる。

 有難い事だ。

 その製造方法は聞いてもよく分からなかったが。


 命を預ける事の出来る武器を作ってくれるんだ。

 多少予定に遅れが出ても良いように、上層部には俺が説明しよう。

 道具屋の連中が困らないように道を開けておいてやる。

 ゴタゴタいう奴にはあの剣の威力を見せ付けてやればよい。

 俺に引導を渡してきたんだ、我儘は聞いてもらうぞ。


 恩を仇で返さないよう心して精進に励もう。





今回はサスロ隊長目線でした。

以後、サスロ隊長目線が続きます、たぶん。


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