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近所に勇者が引っ越してきたようです(仮)  作者: 赤点 太朗
第一章 道具屋の日常
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1-15 緊張の中の癒し

 俺は翌日、ジーニさんの鋳造所に残りの武器を持ち込んだ。

 ジーニさんたちは結果を聞いて跳ね上がるように喜び、以前のスピードを上回る驚異の早さで加工を進めてくれた。

 おかげで、その日のうちに帰路に就く事が出来た。

 仕上げ作業も順調だ。

 結果を知る事により、俺もケーブさんもやる気が漲った。

 今までは不安で、これでもかと必要以上に研ぎ込んでいたが、幾分気が楽になった事で気負いがなくなり、作業効率が上がって余裕が生まれた。

 だが、だからといって気を緩める事はできない。

 人の命が掛かっているからだ。


 しかし、このちょうど良い緊張感に落ち着いたのを感じ取ったチビッ子二人は、ケーブさんと俺に飛びついてきた。

 どうやら今までは怖いくらいで、近寄りがたかったようだ。

 ほわああああ、癒される。


「ねぇねぇ、”りゅう”さん、わるいことしたの?」「「わるいこ?」

 思わず俺はケーブさんとサリさんに顔を向けるが、二人とも顔を横に振った。

 どうやら既に噂になっているようだ、竜が暴れている事が。

「う~ん、どうなんだろうね。竜と仲良くできればいいんだけどね」

「りゅうさんとおともだちになりたい!」「おもとだち! ないたいっ!」

「そうだね、お友達になれるといいね。お友達になれたらどうしたい?」

「う~んとね、う~んと、おそらとびたい!」「おそらとぶっ」

 夢があっていいなぁ。

「じゃぁ、俺は竜さんとチカラ比べでもしようかな。絶対負けそうだけど」

「りゅうさん、つよい?」「つおい?」

「うん、すっごく強いぞ? 大人たくさんでも勝てないかもね」


 あれ? なんか変なフラグ立てちゃった?

 いやいやいや、気のせい気のせい。

 ”チカラ比べ”の話だいっ!決して討ち勝てないって意味じゃないやいっ!!


「え~! ゆーちゃん、りゅうさんにかてないの~?」「ゆ~たん、よわい?」

 ぐさっ!

「あはははは、チカラ比べでは勝てないかもね~。ミーちゃんなら勝てそうかな?」

「うんっ! かつーーー!」「サーちゃんもかつーーー!!」

 うん、この二人が最強だ!間違いない!!


 二人に充分癒されてフル充電になった俺とケーブさんは、翌日からも精力的に仕上げ作業に打ち込み、最初の5日遅れで全ての武器を納めた。

 余所はというと、最初は加工に四苦八苦したみたいだが、その後は人海戦術で一気に仕上げ、同じ時期での納入となっていた。

 見た目で若干の違いはあるものの、似た感じで仕上げてきているところを見ると、かなり気合が入っていた模様。

 ウチの技術の一端を見る事も出来て、良い意味で刺激を受けたようだ。

 良いライバルが出来たな、ケーブさん。

 通常業務の方の応援も、来てもらってた職人さんの吸収力がすごくとても助かっていたのだが、これで支援体制は終了となる。


 これで元の体制となり、やれやれと思っていたら大変な事になった。

 今まで控えてくれていた常連さんからの依頼が一気に雪崩れ込んだのだ。

 これには俺やケーブさんだけでなく、サリさんまで舌を巻いた。


 いやぁ皆さん、お待たせして申し訳なかった。

 翌日からまたフルスロットルで仕事をこなしていくのであった。





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『カースブレイカー』シリーズ
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