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願うのは笑顔  作者:
第1章 第3節【正しさ】
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レヴェルの行方


 

 無事に傷が治せてほっと息をついてから、振り返る。そう言えばレヴェルはどこに行ったんだろう。

 

 きょろきょろと見回して目的の人が見つからないのでジークの手を再びとってからお父様の方へ歩いていく。

 

 唖然としたお父様達がなぜそんな顔をするか分からなかった。

 私はすべきことをしに来ただけといっていたのに。

 

 「サーレ、君は…」

 お父様が何かを言いかけて口を閉じる。お父様の肩にお母様が手をやり少し目を伏せた後。お父様は優しく笑みを浮かべてくれる。

 

 「サーレ、さすが私たちの娘だ」

 「良くやりました、サーレ」

 「はい! お父様! お母様!」

 

 誇らしい気持ちで笑顔を返せば二人ともほっとした顔になる。どうしたんだろう本当に。

 

 グランシアノに再び目を向けるとキャロリアンナと王妃が泣きそうになりながら笑って手を取っていた。

 

 それを微笑ましそうに陛下が見ていて…ここにはやっぱりレヴェルがいなかった。

 

 「お父様、レヴェル王子は…」

 「サーレ…彼は」

 

 「レヴェルは自主的に王女と共に部屋にこもっている、監視を受け入れてな。」

 

 お父様が言葉に詰まった答えを当たり前のように陛下が口にして。今度は私が唖然とする番だ。

 

 「なぜ、レヴェル王子が?」

 いけないと分かっていても。陛下に聞き返すのは失礼だとわかっていても聞きたかった。

 

 「レヴェルはレティーリアの息子だ、王女もしかり。レティーリアは次期王太子であるグランを暗殺しようとした、その罪は重い」

 血の気が引いてくのがわかった。手が震えるのがわかった。陛下が何を言わんとしているか分かってしまった。

 

 「レヴェルと王女も刑に処すことになるかもしれないからな、逃がさないようにと監視を」

 

 「レヴェル王子は何もしていませんっ」

 何もしていないと誰よりも私が知っている。だって彼はどれだけ女の人を憎んでも彼は。

 

 

 兄であるグランだけは裏切らず、兄と口にするのではなく王太子殿下と口にしていたのに。

 

 「サーレ、これは仕方ないことなんだよ」

 「仕方ない事なんて…っ」

 「私がもし王族に刃を向けたなら一族諸共死罪になる、陛下は刑に処すと言ってはいるが彼らは殺せない、塔に幽閉し、民達には病に伏せっていると告げるんだよ」

 

 レヴェルが塔に。

 

 「なんで…?」

 「レティーリア様を捕える所をほかの貴族にみられただろう、レティーリアが罪を犯したことは自ずと分かってしまう、そして陛下をよく思っていないものたちからすればレヴェル王子は…」

 

 私の、せい?

 私が闇を晴らしたから? ううん、ゲームではレヴェルがそんな目にあうことは無かった。そこじゃない。私が陛下に事件のことを告げたから? 目立ちたくないとレヴェルの事を考えずにいたから…?

 

 「レヴェルの事は後で詳しく決める。今はそれよりもそこの二人の追求だ、レルム…手を貸してくれるな?」

 

 陛下がお父様に剣を投げて寄越す。それをお父様は受け取って静かに頷くと剣を抜いて縛られている二人に歩いていく。

 

 訊問するの…?ここで?

 

 「サーレ見ない方が…」

 「ううん。見る」

 

 知りたいから。なぜグランを殺そうとしたかは想像がつく。そっちではなくて、なぜ彼が…名前も顔も見覚えのない彼がさっきから微笑んでいるのか。

 

 そしてレヴェルを助ける術を考えなきゃ。彼は本当に何もしていない。

 

 

 

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