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願うのは笑顔  作者:
第1章 第2節【瞳の価値】
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情報から導く


 

 「目的が第一王子であるなら、リトがやられたタイミングを見てもパーティーの時でしょう、あれだけの人で注目される王族を狙うのなら目隠しが必要でリトを狙ったのは闇属性のみなはず」

 抱きすくめられたままのリトのことを見つめ再度問掛ける。

 

 「リト、あなたを切ったのはユミルというメイドが手にしたそこの剣で間違いはない?」

 「……うん」

 

 リトはびくりと肩をはねらせるユミルさんを見て頷く。私は何故そんなリスクをおかしたのかということに目を向ける。

 

 「魔法を使わなかったのはなんで?そう思わない?」

 「あっ」

 リトが確かにと呟く。

 わざわざこんな剣を用意した。それは何故?この剣を用意する手間もあったろう、ユミルさんを操り、リトを攻撃してから操る糸を切れば残るのは何もわからないユミルさんと、この剣だ。

 

 「私の想像なんだけど、人を操るのって結構大変だと思うの、その人の視界も奪わなきゃ見れないでしょ? 意識も奪うんだから、動かさなきゃいけないはず、ならその黒い魔力の持ち主はどこかで眠るか何なりしないと無理よね? 目の前の視界と操る先の視界が混ざってしまうもの」

 

 今度はユミルさんへ目を向けて確認する。

 

 「ユミルさん、攻撃魔法は使える?」

 「……一応は使えます、万が一の時坊ちゃんを護るためにと奥様が学ぶ機会を下さいました」

 

 

 その言葉にひとつの想像が確信に変わる。

 

 「黒い魔力の存在は操りはするけど操った先の魔力は使えない、かといって自身の闇属性の魔法を使いリトを傷つけることもしなかった──操った先では魔法が使えないとみていいと思う。」


 少なくともこの世界の人は同時に二つの魔法を行使出来ない。脳がそれに耐えきれないから。だから黒い魔力の人がリトに魔法を使わなかったのは使えなかったから。

 

 操る方法はなんらかの魔法だ。

 

 そして思い出すのはあのゲームのオープニング。

 

 “グランシアノは真っ暗な中攻撃される”、肩を何者かに切りつけられ“傷口から黒く肌が染まっていく”。

 

 会場の外で待つ騎士以外は剣を持つことは出来ない。騎士が持つ剣はごく普通に出回る剣と同じであり、魔剣など持っていない。ならばあれは魔法による傷だ。

 

 会場に張られた結界を壊し、会場全体を覆うほどの闇魔法を行うもの。

 闇に紛れグランシアノを切るもの。

 

 少なくとも二人はいる。

 

 そうなら一人は会場内に居なきゃおかしい。グランシアノのそばに行けなければ肩を切れない。

 

 ゲームのオープニングではサーレの光魔法によってその闇はとかれた。だから彼は死ななかったのだ。

 

 殺すまで至れなかった、その時近くにいた人の中にその犯人はいる。

 

 黒い魔力の存在があの会場を覆う闇を作り出したとしたらリトが見つけられる。仲間を手引きするために操っていたとしても見つけられる。

 

 でも、実行犯は?最低二人以上であれは行われた。

 なら実行したのは誰なのか。操らずとも王族に近づける存在で、怪しまれなかった存在。

 

 私は嫌な考えを思い浮かべてしまった。

 


 

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