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願うのは笑顔  作者:
第1章 第2節【瞳の価値】
52/143

リトが狙われた理由は


 

 まず私がしたのは護衛の人達を部屋から出すことだった。



 リトの件もあって渋っていたけど、状況がわからない中での情報を知っている人は減らすべきだと思うから。

 

 「そこのメイドさんも部屋を出てもらっていい?」

 「私は…坊ちゃん…」

 

 血だらけのメイドはリトへ目を向ける。リトはへらへらと笑っていた。

 

 「ユミルは大丈夫だよサーレ」

 「…でも」

 「ユミルも知る権利あると思うんだ、…ユミルも知りたいでしょ」

 

 何があったか。とリトが呟けばユミルと呼ばれたメイドは苦々しい表情で俯いて、静かに頷く。

 

 「僕の身に何があったか話すんだけど、サーレ時間は平気?」


 「何が?」


 「サーレは僕らが知らない情報を持ってるみたいだから、何か相手が動く情報を知ってるのかなって、詳しく話さなくてもいいよ、時間が大丈夫かどうか言ってくれれば」

 

 私はその言葉に思わず口を開いた。怪しまれるとか、情報の出処はどこなんだと聞かれるとかの不安は浮かばなかった。

 

 ただ、すべきだと思った。

 

 「時間はとりあえず大丈夫だけど、余裕はないわ」

 「じゃあ手短に話そう、僕を襲った犯人の容姿は分からない。声もわからない、犯人はユミルを操っていたからね」

 

 ユミルに目を向ける。メイドのエプロンを握りしめて悔しげな顔だ。宰相もそれを見ていた。

 

 「魔力の中に変な色があったんだ、真っ黒の、闇色みたいな、でも闇属性とは違う感じのがね」

 

 リトにしか見えない色。…犯人は人を操る術がある。その術には魔力が関係している。だからリトを狙ったのかな。

 

 「リトはその色を見つけられる?」

 「忘れるもんか、絶対見つけてみせるよ」

 

 その言葉に頷いて思考を回す。

 

 犯人は一人だろうか? 敵の狙いは第一王子の襲撃だ。人の多い場所で行うなら一人よりも複数人ならしっくりくる。

 

 「リト、ユミルさんを操っていた人の魔力は真っ黒だったんだよね?」

 「うん、見たことないほど強い黒だった。気持ち悪い印象を覚えたし」

 「ジークの魔力と比べてみるとどう?」

 「ジークは他の色も混じってるんだけど澄んだ黒って感じ、夜空みたいなの思い浮かべればだいたいそれであってる」

 

 ならば。

 「犯人は一人じゃない可能性が高いと思う」

 「…サーレ嬢、証拠はあるかい?」

 

 静観していた宰相がまっすぐと私に目を向けてくる。私はそれに首を振って。

 

 「証拠はないです、でもリトがくれた情報と私が持つ情報を合わせたらそうなります。」


 リトが首を傾げて、ジークが私の手を握る。言いにくそうなのがわかったのかな。ジークの熱が大丈夫だと告げてるようで落ち着いた。

 

 「敵の目的はグランシアノ第一王子の命です」 

 

 きっぱりと言い放てば宰相の顔色が一気に悪くなる。震える手でリトの手を取り抱きしめる。

 

 「リトは操る術である魔力を見ることが出来る事、そして、宰相である貴方を王族から離すために襲われ目を奪われたと考えてまず間違いないと思います」

 

 リトが自分を抱きしめる宰相に目を向けて戸惑いを(あらわ)にする。

 

 「リトが生きている、それがその答えでしょう」

 

 リトの目だけが目的ならリトを殺せばよかったのだ。


 手の内を知るものを生かす意味は、魔力が見えなければバレないということもあるだろうが、何より、溺愛する宰相が息子の為に動かなくなる事を狙ってのものだと思う。

 

 

 

 

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