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願うのは笑顔  作者:
第1章 第1節【変わりゆくもの】
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王都到着




 王都に着いたのはあれから三時間たった頃で、既に日は傾きつつあり、空が青ではなく茜色に染まり始めていた。

 

 王都の壁はとても高い。門は五、六メートルほどの高さだろうか? それで考えればあの頑丈そうな壁は二十メートル位?


 首が痛くなるほど見上げて呑気なことを考えていれば私たちの番が来たらしく、担当者らしい人が馬車に向かっていく。馬車の中からお父様が出てきて何かを話して見せればその門番は何度も頭を下げて門の向こうへ走っていった。

 何をしているんだろうかと首を傾げれば気をきかせたアルが教えてくれる。

 

 「キャロリアンナ嬢の家に連絡を取っているんですよ。彼女の本邸は王都の貴族街にありますから」

 「貴族街に? なんで?」

 

 領地を持っている貴族は自分の領地に本邸を築くのが普通だと聞いてる。王都に別邸を作り、必要な際利用するのだと。

 

 だけど彼女は侯爵家にも関わらず王都に本邸があるらしい。それは初めて知った。キャロリアンナはゲームでは王族の婚約者でしかなかったから家に行くシーンも無かったし。

 

 「彼女の祖父が王族の相談役を(にな)っていまして。ご両親も実験好きで領地経営は上手くないという理由で代わりの者を立てているそうです。」


 「それっていいの?」


 「良いも悪いも圧政を敷いてる訳では無いですし、定期的に領内を見に行っているそうですよ。それに代わりの者が平民上がりの方で、領民からの信頼もあついらしく問題も起こってません」


 「そんなやり方あったんだ…」


 「例外ですよ? 普通考えてもやろうとも思いません。あの家は本当に研究バカな…」

 

 ゴスッ─と音がして振り返ればジークに肘鉄を腹部にくらったらしく悶えていた。ジークはシレッとフードを被って前を向いている。

 

 流石に王都内を目を隠さずに歩くと問題が出て別邸に予定通りつけない可能性がある。だからフードを被ってもらっててよく顔は見えないんだけど…。ほんとにジークってアルのストッパーと化してるよね。

 

 面白いことになっている二人を見て笑いつつ、話をしながら待てばさっき走っていった門番の男性が戻ってきた。そして頭を下げて門を開けてくれる。

 

 「やっぱり王都にいやがりましたか」

 「ん? アル何か言った?」

 「いえ? なんでもありませんよ。ほらお嬢様ちゃんと掴まってください。馬を歩かせます」

 

 アルに促されるままにジークに掴まれば馬はゆっくりと歩き出す。道中色々あって誕生日だって言うのに疲れて仕方ないけど無事に王都について良かった。

 

 門を通る前に野盗達は警備隊に連れてかれていて。アルにボロボロにされてた人が見えたけどとても晴れやかな笑みを浮かべていて、なんとも言えない気持ちになる。

 

 彼らから目を逸らしてお母様達の乗っている馬車を見ればキャロリアンナがカーテンを少しずらして、こちらを見ていた。

 

 視線が合うとすぐにカーテンを閉めていたけど。訳が分からないし、キャロリアンナが帰ったらお父様かお母様に聞いてみよう。

 

 

 


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