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願うのは笑顔  作者:
第1章 第1節【変わりゆくもの】

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アルの説明付き王都観察


 王都の中はとても賑わっていた。道はよく手入れされているのが目に付く。民家も平屋が多いけど三階建ての宿もあり賑わっているのが見て取れた。

 

 「これから貴族街に行くんだよね?」

 「ええ、キャロリアンナ嬢を送ってから別邸に入り休むことになります。お嬢様疲れてませんか?」

 「私は平気、ジークは?」

 「俺も平気」

 

 そんな話をしている中でも視線が私に集まっているのを感じる。私もフードを被ればよかったかもしれない。

 

 悪い意味で視線を向けられている訳じゃないから、むず痒く感じる。いっそ悪意を持って切りかかってくれたら楽なのにとかそんな危ない思考回路になりながら王都の人たちを見る。

 

 

 服装はやっぱり貴族とは差があって自分たちで作ったんだろう、と察しがつく人も何人かいた。中には綺麗に縫われているものもあったけど。

 

 縫い方に差異はあっても、布の質や皮の質は(うち)の領地よりも上質だ。人の出入りが激しい分、物の流れも速いのかもしれない。

 

 「アル、あれは何?」

 

 人を観察して気づいた派手な看板が出された店に目を向ける。あまり客入りは良くないけど、なんの店なんだろうか。店の名前はレレイと書いてある。

 

 「あれは甘味屋ですね、高いですが甘い物を扱う専門店です」

 「客入りが悪いのは高いから?」

 「ええ、以前来た時には無かったのでつい最近出来たんでしょう。本店は貴族街にありますよ。」

 

 甘味屋って在ったんだ、この世界。今まで食べたことなかったし。ゲームの中では恋愛と戦闘であまり店を回ってなかった気がする。

 

 武器屋と防具屋と魔法具屋はハシゴしていたけど。

 

 「ふーん、どんなのあるの?」

 「あまりオススメはしませんよ? 甘すぎて舌がおかしくなりますし、花の形に染め上げた砂糖を固めた菓子とかが(おも)ですね。」

 「え? 色つけた砂糖だけのお菓子なの?」

 「ええ、だから先程言ったように甘すぎて舌が馬鹿になる為、料理好きからは評判が悪いです。料理に使おうと思っていても色がついていますし…私は利用しませんね。」

 

 砂糖菓子っていうか砂糖そのものなのか。色って何でつけてんだろ。前世では虫から取れるとか聞いたけど、この世界は魔物からとったりするのかな?

 

 魔物についての本をどこかで買って勉強してみよう。領地の発展に役立つのがいるかもだし。

 

 街中を見ていればやっぱりゲームの中通りの店や店員がいる。街を探索する時には迷わなくてすみそうだなと思っていれば、また門に辿り着く。城に近いこの先は貴族街になる。

 

 意味も無く平民が中に侵入すれば不審人物として即捕まる場所だ。門をくぐれば一気に人が減った。

 

 「キャロリアンナ様の屋敷ってどの辺にあるの? 近い?」

 「やはり疲れてきましたか? そうですねぇ、このままの速度なら二十分ぐらいで着くでしょう。」

 

 別邸はここから十分ぐらいだと思うから、やっぱり城に近い方にあるのか、流石、王族の血を持つ侯爵家だね。

 

 にしても、二十分か…。キャロリアンナとはまた明日パーティで接触するし、さっさと送って別邸に行きたいな。

 

 

 

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