幕間:~極秘データ【神結システムについて、NO1】~
夢を見ていた。いや、正確には白昼夢なのだろうか
まるで、自分だけが透明人間のような雰囲気で目の前の様子を静かに眺めているだけだった。
『・・・ここ、は』
どうやら、何処かの実験ラボのようだった。白衣の人数が数人、大型画面を見て何かを話し合っているようだった。顔立ちを見るに全員日本人のようだ
「・・・これ、ほんとうにやるんですか?」
「大鳳博士は我々日本軍勝利への切り札になると自信をもって言っていたが・・・適合者が見つからないんじゃ・・・」
深刻そうな顔をする白衣の人間たちの前に映し出された映像には何かの神経細胞のようなものが映し出されている。
ーーー 知っている。
コレが何なのか、美琴はよく知っている。
コレは・・・
「・・・神結システム?」
先の大戦にて自分の体に埋め込まれたもう一つの神経細胞、
焼けただれた自分の皮膚を治癒してくれたあの藪医者からのもう一つの贈り物それが、神結システムだった
『・・・そういえば私、〝コレ〟の事何も知らない。』
ー 代金に釣り合うほどの殺しの術をその緩い頭に叩き込んでやる
そう言って、あの藪医者は自分に新しい人口の皮膚と破損した神経を補うべくこの神結システムを埋め込んでくれたのだ
50くらいの偏屈な藪医者、そしてあの世界大戦にも参加した軍医。
『・・・・じゃあ、彼が大鳳博士?』
名前を聞く暇もなく、彼の元を去ってしまったため、果たしてそれが彼の本名なのかはわからない。
ただ、もし代金に釣り合うほどの物が・・殺しの術だけではなく、あの神結システムの適合であったのなら?
「・・・・デウスロイドやマキナロイドにも使われている電磁神経を大鳳博士が門外不出の技術をもって人間の体に近しく・・しかし神経伝達速度はデウスロイド達とおなじ速さを維持すように作り上げた切り札・・・噂じゃあデウスロイドとシンクロすることも可能らしい。」
「しかし・・・今現在の実験で適合者は0%・・・ほんとうに成功するんですかね」
二人の科学者が首をかしげる中、一人の科学者が小さく呟いた
「しかし・・・もし、この技術が成功したなら…適合者が現れたのなら」
静かに、画面の向こうに映る電脳神経が青白く光る
「ーーーーーーー それはもはや、新たな生命なんじゃないか?」
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「ーーーーーー。」
ゆっくり、夢から浮上すればそこはベージュ色の天井と暖色証明が視界に飛び込んできた。
そして、見慣れた二人の顔
「・・・よぉ、マスター様。」
「ったく・・無茶しやがって、この馬鹿が」
「ツヴァイ・・・アルファ・・・」
こちらを見つめるツヴァイとアルファに美琴はゆっくり体を起こすと周囲を見回した
「・・・・アルバは?」
「・・俺たちが駆け付けた時にゃあもう、起動停止になってた。」
「そっか・・・ちゃんと、私が殺したんだね」
小さく笑う美琴にツヴァイは何かを言いかけたが、静かに天井を見上げて持っていたタバコに火をつける
「・・・要ちゃんたちは?」
その言葉に今度はアルファが口を開いた
「・・・あのチビや優男は少し時間が欲しいとさ」
「・・やっぱ、そっか」
「・・・あぁ、だがチビ助の相棒からは言伝預かってる」
「朔から?」
「・・・お前はやるべきことをやっただけだ。だとさ」
アルファから聞いた言葉に美琴は小さく苦笑いを浮かべる。・・たしかに彼らしい言葉だが、今はその言葉に救われた。
「・・・あの、さ」
ふと先ほどの夢を思い出し美琴が静かに口を開く
「ーーーーー 二人に、相談したいことがあるんだ」




