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悪役・追放?令嬢 短編集など  作者: 平泉彼方
2/8

色々ヒドい婚約破棄

 読者の皆様、大変御待たせ致しました。


 悪役?令嬢モノ第二弾です、どうぞ!!



 私は本日急に婚約者殿に呼ばれたので、全ての予定をキャンセルして彼の元へと向かいました。


 ああこの後色々予定が入っていましたのに……友達とのショッピングとか従者との会食とか…



 あ〜あ、楽しみだったのに残念ですわ。



 ちなみにこうしてお呼ばれするのは実に3ヶ月振りである…学園に入学してから暫く音信不通だったのですし。


 それプラス家の格のせいで私の方から積極的に接触出来ないのですから致し方ないのです。



 仕様がないと思う…別に互いに忙しかったからってことも有るのでしょうけど。



 さて、本日の用事は何かな…私の予想通りだったらいいのですが……




 そして待ち合わせ場所には、婚約者である『ヨハネス第三王子』と彼の愉快な仲間達……プラス可愛らしいピンクブロンドの少女が居ました。


 何故かウルウルした目で私を怯えるように見ているけどはて、会った事さえも無い全くの初対面なのですが……私の見間違えでしょうか?



 まあいいです……



「ヨハネス殿下、本日は一体…」


「…自覚も無いのか。」



 開口一番何故か呆れの混じりの蔑んだ冷たい視線を浴びせられました……一体どうしたと言うのでしょうか?


 悪いものでも食べたのでしょうか?



 まあどうでもいいです……時間の無駄ですからさっさと用件を言ってもらいましょう。



「そう言われましても困ります……それで一体何事でしょうか?」



 すると、彼の仲間の烏合…おっと、騎士(笑)(カッコわらい)が急に噛み付いてきました。



「お前、どれ程自分が最低な事をしたのか自覚が無いのか!!」



 そう言われましてもね……



「酷い事……ですか?う〜ん………あっ、」



 そう言えば酷い事最近してしまいましたね!もう既にきっちり叱られちゃいましたが。



「ようやく自覚したか……」


「ええ、その節は大変申し訳なく思っております…」



 確かにあれは“酷い行為”に含まれてしまいますものね…



「自覚があったのか……余計に質が悪い。」


「最低ですね…」


「……………(ブフッ)」



 ……何故か言われたい放題ですね…確かに酷い事ですけど貴方達に関係なかったはずですけどね!


 それと約一名そんな露骨に笑ったらばれちゃいますわよ?!!



 はあ〜……ではまあ、一応無関係ですが罪を告白致しましょう。



「確かにあの件については未だに後悔しています……














 横領と脱税の証拠を“あんな形”で好評してしまった件について本当にちょっと後で、本気で申し訳なく思ってしまいましたわ……」


「「「え?!?!!」」」



 え、も何も無いですわよ…



「最近ハールゲニャ元男爵とヅーバゲイル元侯爵が揃って不正を行い、それを彼らのヅ……ゴホン、失礼…偽御髪の裏側に隠しているとの情報を得ましてね…


 それでこの間の王宮での舞踏会、赤裸裸に皆様の前で剥……ゲフン、公表した事でしょう?


 それとも強●・暗殺目的で校舎に侵入してきた、雇われ傭兵の男性を徹底的にブチブチのグチョグチョに踏み潰して血まつ……ゲフン、さらし者にした事でしょうか?


 それか「もういい!!」……左様でございますか。」



 皆様何故か真っ青で前屈みすわね…一体どう致したと言うのでしょうか?


 そして何故か可愛らしかった令嬢には睨まれてしまいました……何も私した覚えは無いのですが…



「あ〜兎も角、お前此方のロザリン・イヴィリウム男爵令嬢を徹底的にいじめたと聞いたのだが…


 だが先程の話しからするとそんな時間は無いだろうな…だとすると一体どう言う事だ?」



 流石は殿下……ですがもう遅いです。


 さて時間もないですし、そろそろ茶番は終わらせましょう。



「ヨハネス殿下、実は私も本日は一つ用事が御座いまして……」


「何だ、申してみよ。」



 ああ……ある意味残念ですわ、もう二度と貴方で弄…ゲフン、遊べないのですから。


 そして私はこの時を待っていたとばかりにあるものを突き返しました。



「ええ…













 本日をもって貴方の婚約者を止めさせて頂きます、と4日前に言いそびれてしまいましたので…

 遅くなりまして、御免なさい。」



 すると、ぴしりと空気が凍る様な音が聞こえました……見ると皆さん面白い様にフリーズしていますわね。



「え…」


「「「え?!!!?!?!」」」


「え〜!?!?!!!?!何でこのタイミングで?!!?!」



 あらあら……ヒロイン(電波ビッ●)さん、王子サマの御前ですのにいいのかしら…本性が丸見えでしてよ?


 それに我が婚約者…おっと、“元”婚約者ながら何と情けない面。



 貴方の取り柄って本当に見た目だけですのに…



 そうして、現婚約者が私の方へ向かって参りました……取り巻きに入っていたのに先程から笑いを堪えていたあの方ですわ…もう今は一切堪えていませんけどね。



「ぶわぁははははははっははははははははひひひひひあひゃひゃひゃひゃひゃぐぁははははっはははっははははヒ〜…」


「あらあら……笑い過ぎでしてよ」



 呆れてジト目で見詰めれば、彼は笑い涙を拭って笑いを堪えつつ言い訳します……いつも通り。



「いや仕様がないだろ?だって君が色々僕の予想の斜め上どころか直角に突き抜けて行ったから、笑うに決まって…クッ、ブッ」



 堪えきれず、更につぼに嵌った様で……今は床で笑い転げてお腹を抑えていますわ。


 ちなみに周囲は唖然、特にヒロイン=サンの顔が酷い。



 まあ普段の彼のキャラからは想像出来そうにないですものね……クール(爆)(カッコ爆笑)担当。



「あ〜笑った久々……もう本当、暫く笑い堪えていた分余計笑えた〜……ゼイッ…ゼイッ…」



 さてと、もうそろそろ“彼”を止めますかね。



「そう言えばこの後オワクラーク卿に本日食事に誘われておりまして…何でも最近息子の将来が不安なので様子が「ゴメンナサイ調子に乗りましただから“あの件”は言わないで〜!!!」…」



 サッと顔色を変えて彼は必死に私へすがりつきました……見苦しいですね、全く…情けない顔をなさって。


 けどそんな彼が可愛らしく見えてしまう位には私も変ですから仕方が無いですね。



「大丈夫、今回は黙っておきますわ…ええ、“今回”はね。」


「いや、マジで言わないで下さい…言わないでくれたら今度穴場に連れて行くから!!本当御願いします、この通り!!!」



 土下座されて更に彼の穴場へ連れて行ってくれるのでしたらまあ…



「ええ、考えておきます。」



 にっこりと笑えば彼はガックリしました……ナデナデしてあげれば少し恨めしそうに上目遣いしてきますが、どこか気持ち良さげに段々眼を細めて…


 ここで邪魔が入りました…非常に残念ですが。



「リュート、お前は私達の味方ではなかったのか!!」



 信じられないと言った様子で彼を見詰める王子は……かなり無様ですわね。


 恐らく今、私はとても冷たい表情をしているのでしょう。


 それはでも彼もそうであり…いいえ、私以上でしょうか?何処かとても怒りをこらえておられる様子ですわ。



「……何を勘違いしているのか知りませんが、僕の恋人を一度は奪っておいてよくもまあそんな口が聞けましたね。


 何といいますか…厚顔無恥とはこの事をいうのですかな。


 でもそれも本日まででしょうかね……昔は本当に僕も貴方の味方だったのですが残念です。」



 ぽかんとする王子はきっと何も覚えていらっしゃらないのでしょう……彼と私が幼馴染みで将来を誓い合った仲だった事など。


 それを何故か彼が引き裂いて私を婚約者に据えた事もね。



 そして彼は懐から一つ、魔動式録音機を取り出しました。



「これ、な〜んだ。」



 とてもいい笑顔でそう言うリュートへヨハネス王子はサッと青ざめます……そして崩れ落ちました。


 まあ確かにこの段になれば分かるのでしょう。



 伊達に王族としての教育を受けている訳ではないのですから……寧ろ分からなかったら失笑していましたし、その事で更に立場が悪くなる所でしたね。


 …ああ全く残念ですわ。



「もう既に全てダダ漏れなので、抵抗は無駄ですよ。特に国王陛下は頭を抱えておりましたよ、どうやって公爵()を宥めようかと…


 貴方は王位継承権の剥奪、それから喜んで下さい…ヴィルグアル領を治める辺境伯となる事が決定致しました。


 そして周囲の皆様はそれぞれ実家からの通達がまた別に有ると思われます。


 最後にイヴィリウム男爵令嬢…」



「はぁい、何でしょうかぁ?」



 ……今更媚びても本性彼知っていますよ?



 ってあ〜あ…完全に切れさせてしまいましたわね……こうなれば私も止められませんので御愁傷様です(合掌)。



「貴方はこれから貴方のお父上の関わった敵国との裏取引と情報漏洩についてきっちり御話を伺う予定です…が、気が変わりました。」



 ……何故そこで期待に満ちた表所を浮かべるのでしょうか?


 確かに彼の顔は一見優しげに見える笑顔ですが、胡散臭……ゲフン、どう頑張っても黒いのですけどね…


 あら?一瞬彼に見られた様な……気のせいでしょうか?



「……ゴホン、貴方にぴったりな場所へ御連れ致しましょう。」



 後日、盗賊に扮している敵国の兵が捕まるのですが、彼らの潜伏先だった洞窟からブツブツ宙へ文句を言っている不気味なピンクブロンドの娼婦が見付かったそうです。


 誰かは正直知りません…知りませんが、何となく予想出来てしまう所が怖いです。



 ま、彼を最後の最後で怒らせた自業自得です。



「しかし……相も変わらずああやってあからさまに媚びを売る女性は嫌うのですね…」


「当たり前だ…そのせいで僕が、いやもう終わった話しだったね……それよりさ、













 結婚式は何時にする、トリシャ?」


「そうね……卒業してからでいいわ、それまで共に学園生活を楽しみましょう。」



 あれから数年後、悪役令嬢に仕立て上げられヒロインと王族の都合で言われも無い罪で断罪されるはずだった私『トリシャ・ペルセポネー・クルシャス公爵令嬢』はこの国の宰相と第一王子派の人々と共に国を豊かにするべく奮闘するのでした。



 ちなみに元第三王子は自分の行いを大いに反省し、現地の平民女性を娶り粉骨奮闘して魔物の多い領をもり立てるのでした。





 結局1番の被害者は誰だったのでしょうねw


 ちなみに元王子は平民の肝っ玉奥さんの尻に敷かれて毎日奮闘しておりますwwある意味幸せなのかと。


 さて次回は何時になるか分かりませんが、どうぞ宜しく御願い致します。

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