76話
最近のわたくしの、お気に入りの遊びは王宮探検ですよ。
好奇心の赴くままに、好きに場所を歩くのです。
当然、本来なら、そんな事は許されませんが、わたくし、無邪気なお子ちゃまだし、王女様だか特権乱用許されるんですねー☆
(ふふ~。今日はどこに行こかな~)
この王宮の北側は建物が余りなく、人の出入りも、ほとんど無い場所。
サラ曰く、北には幽霊屋敷がありがあり幽霊が出るとか言っていましたね。
今日はその北側を探検です。
北側は高い木が沢山、生い茂り昼間でも暗く、確かに幽霊が出そうな雰囲気です。
だけど1ヵ所だけ、明らかに綺麗に掃除された場所があります。そして、そこには、わたくしの背と同じ位の石碑が立っています。
見るからに、そこはお墓の様です……。
そして石碑の前に跪く、男の人がいます
(……まさか幽霊??)
わたくしは、恐怖心を抱きながらもそっとその様を見つめます。
良く見れば幽霊ではなくユジン将軍のようです。
そして肩が少し震えている姿にわたくしはドキっとします。
(え?泣いてる…?!大人の人は泣いたりしないと思ってたけど…)
それはとても悲しみに満ちていて弱々し姿だったのです。
(どうしょう。ここは見なかった事にして立ち去った方がいいですよね…)
しかし、わたくしはここで残念なドジをしてしまいます。
一歩後ろに下がったとたん『パキッ!』と足元から音がします。
それは明らかに小枝か何かを踏んだ音です。
(あ~あ、見っかってしまいましたね……)
「あの……ごめんなさい。覗き見るつもりはなかったんだけど」
「えっと……。はじめまして、わたくしはセリです」
あわわー! なんて言って良いか、わからないからって、いきなり自己紹介とか変な子とか思われましたよねー?!
「はい。存じ上げております…。…姫様」
「えっと、どこか痛いの?」
わたくしが、そっと手を出せばユジン将軍はとても驚いてます。
「え?あ、いえ、あの、姫様は、私が怖く…ないのですか?」
「え??別に怖く無いよ?」
なんでそんな不思議な事を聞くんでかね??
「では、気味が悪く無いですか?」
「全然、ユジン将軍は、この国で一番強い戦士だって聞いてるよ!とてもかっこいいと思うよ」
見た目も素敵ですよー♡
ユジン将軍は、再び泣きだしたー!!
え?え?え?、もしかして、わたくしが泣かせたんですかね?!
どうしようー!!
(2歳にして、男の人を泣かせるとか、わたくし何て罪な女にー!)
取りあえず、困ったわたくしは、カヤメがしてくれる様に、ユジン将軍を抱きしめて、肩を優しくポンポンしてあげる事にしましたよ。
(これで、少し落ち着いてくれるといいんだけど…)
少しして、ユジン将軍は落ちついたのか、顔を真っ赤にしていきなり立ち上がったって謝罪をしてきます。
「ひ、姫様。そのた、大変な失礼いたしました!」
そう言うとまるで風の様な速さでわたくしの前から去って行きます。
わたくしは、それをただ見送くるしか出来ませんでしたよ。
◇◇◇◇
その後探険を終えて、おやつの時間になり部屋に戻ってもユジン将軍の事が忘れられません。
いつもなら、この時間は至福の時なのですが、今日はなんか食欲すら湧きません。
そんな、わたくしの様子にカヤメが心配して声を掛けてきます。
「姫様、どこか具合が悪いのですか…?」
わたくしは、カヤメに心配を掛けまいとわざと元気に答えます、
「えっ?ううん、別に元気だよ!大丈夫!」
とは答えるものの、ユジン将軍の事がとても気になります。
でも、そうするとカヤメにユジン将軍が泣いて事や、わたくしが泣かせた事を言わないといけないし…。
いくらカヤメにでも、そんな事は言えませんしね。
困りましたね。
「姫様、お菓子のおかわりはいかかですか?」
そう声をかけてきたのは、サラの代わりにわたくしの侍女となったイリノです。
イリノは、ガクサンの推薦で侍女になった。
この国の建国から父様に使えてる名家のお嬢さんらしいでさ。
でもこのイリノは何もない所で、転びそうになったり、間違って物を落としたり、正直かなりドシなお嬢さん何ですよねー。
『ガチャンー!』
早速、運んで来たお菓子を転びそうになって落としてしまいましたね…。
「申し訳ありません。姫様代わりの物を、すぐに持って参ります」
う~ん。まあいいですけどね。
ただカヤメより身分が高いからか、カヤメも叱るに叱れず、カヤメの仕事がふえて、ちょっとカヤメが気の毒ですね~。




