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神の娘  作者: アイ氏


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72話

別室に行くと人目が無い為か、エンラ様とお供の方は、いきなり鬼の姿に戻ったので、わたくしは凄くびっくりしましたよー!


でも父様は驚く事もなく平然と別室にある椅子に座ります。


そして、わたくしは父様の隣に座らせてもらいましたよ。


父様が、エンラ様とお供の方達にも座る様に勧めても立ったまま、父様の前にいます。


空気は重く緊張感かあります。


(ツイテコナセレバヨカッタ……)


わたくしは後悔をしましたよ。


そんな重い空気の中で最初に口を開いたのは父様です。


「それで、僕に頼みって何かな?」


そしてエンラ様も話しを初めます。


「まずは大切な、お嬢さんを父が拐おうとした事を、お詫びいたします。そして本日はお嬢さんのお誕生日だそうですね。おめでとうございます。ささやかですが誕生日の送り物を用意いして参りました」


そう答えます。謝罪に対して父様は無言です。


そしてわたくしの誕生日を知っているだけでも驚きなのに送り物まで頂いて良いんでしょうか?!


エンラ様に言われて、小さなお供の方が前に出てきて、被っていた布を脱ぎます。


布を脱いで現れたその姿はウサギさんですよ!!


白い毛に可愛い赤い目!!その姿はわたくしが、飼っていたウサギにそっくりですよ。


「ユキちゃんー!!?」


うさぎさんは、更にぴょんと飛んでわたくしの前まで来ます。


「おお、我輩(わがはい)の事を、まだ覚えていてくれたでありますか?嬉しいであります」


死んだはずのユキちゃんがしゃべっています!!

そしてわたくしの目の前にいるのです!!


「我輩、あの女狐に殺られて、肉体は死んだでありますが、その魂は、冥府へと逝き、そこで、エンラ様に獄卒にならないかと誘われたであります。今、冥府にてエンラ様の補佐官、見習いとして日々、頑張っているであります」


(えっと、なんか驚き過ぎて言葉も見つかりません!)


「そして姫様。お誕生日おめでとうございます。であります」


そう言ってユキちゃんは、背中に背負っていた風呂敷から、箱を取り出して、うさぎの像を、わたくしに渡してくれた。


「ひゃ!冷たい!!」


氷のうさぎの像のようです?!


「これは、八寒地獄の永久凍土の氷から作った、氷像(ひょうぞう)であります。この氷はどんな暑さでも溶けるとはなく、冷たい冷気を、放つので、夏にお部屋に置けば、お部屋はいつも涼しく快適になるであります」


へぇ~、それは凄いありがたいですね♡


わたくし夏の暑さがとても苦手ですからね。


「八寒地獄の獄卒殿にお願いして、我輩の姿を像にしたであります。この像を見て時々は、我輩を思い出して欲しいであります」


そう言うと、ユキちゃんは、わたくしに敬礼をした。


「え?!あっ、うん、ありがとう大事にするね」


ユキちゃんって、オスうさぎで軍人さんみたいな性格だったんだね。


見た目が可愛くて何となく女の子だと思ってましたよ。


もう色々と驚き過ぎて、『ぼーぜん』ですよ!


「常に冷気を放ちますので、冬はこの箱に入れて保存されれば、冷気は漏れ無いでありますよ」


そう言って像を入れてきた箱も渡してくれました。


「ありがとう。ユキちゃん」


わたくしは、ふっと白尾の事を思いだした。


白尾は、今、戦(いくさ)でいないけど、わたくしの誕生日に、使者まで使って送り物を届けてくれたんですよね~。



使者の方は戦地から昼夜、馬を飛ばして、白尾の『この、狐のぬいぐるみを、わしだと思って可愛がってくれ』の一言と、ぬいぐるみを届ける為に、王宮まで来たと思うと。


ほんとお気の毒で申し訳無いですが……。


動物は、みんな思考が似てるのかな?


するとユキちゃんは突然、ぴょんって違う所に行きましたよ。


「あっ、草を発見であります」


ユキちゃんは、そう言うと花瓶に、飾られていた。お花をムシャクシャ食べ出します……。


でもすぐに我に帰って様です。


「あっ、申し無いであります。草を見るとつい///」


そう言って我に返ってユキちゃんは恥ずかしそうにしています。


野生の本能もあるし、ほんと似てますね。


「共の者が失礼いたしました。ユキさんは、自我に、目覚めた霊獣ではありますが、基本的にうさぎですので、植物を見ると食べて仕舞う事があるんです」


エンラ様が何気に話した、ユキちゃん事に興味が湧いて、わたくしはエンラ様に聞きます。


「ユキちゃんは死んでから霊獣さんになったんですか?」


急にユキちゃんが現れたから驚きましたが、わたくしの所で飼われていた時は、普通のうさぎさんでしたよね?


「いえ。おそらくユキさんは、地上にいた頃から、少し霊力を持っていたと思います、ですが、自我までは無く普通のうさぎと変わらなかったのでしょう。しかし、狐によって殺され、その怨みの念が、眠っていた霊力を呼び覚まし、霊獣になったのです」


ふぇ~、それはちょっと怖いですよ…。


「本来なら、そうした者は地上を彷徨い続け、やがて咎落ちして、冥府に来る事は無いのですが…」


「うん。確かにそうだね。この兎といい、ここ最近、亡者の姿を全く見なくなったね。なんでだろう?」


父様には、幽霊が見えるんですか?!



「はい。その理由も含め冥府の現状を、叔父上に、お話し、その対策と協力の為にお願いにあがりました」


ここで、ついに本題ですか!


父様にお願いってなんですかね?!


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