68話
あれから、お部屋で、また眠って起きた時には、お昼過ぎてましたね~。
カヤメが、お昼ごはんの用意をしてくれて、遅いお昼ごはんを食べてます。
「姫様、お食事が終わったら、陛下が大切お話があるそうで
お部屋に来るようにと」
これは、やっぱりお説教ですかね…?
2度も誘拐されましたしね。
まあ、最初の白尾とのお出かけは、わたくし誘拐とは思って無いんですけどね…。
わたくしは、嫌々、父様のお部屋に行く。
「父様、大切なお話って、なぁに~?」
まあ、お説教だとは思いますが、ここは、少しでも明るく振る舞ってごまかしたいのです。
「冥府の事とか、他にも色々、セリに話しておいた方が良いと思ってね」
おおー、お説教ではなさそうですねー。
よかったー☆
「この世界は、天界、地上、冥界の三界に分かれているのは知っているよね?」
「うん。なんとなく」
そうして、父様は色々話してくれましたよ。
ー 冥界ー
それは死者の国。
地上で亡くなった人間の魂が逝く場所。
そして地上で罪を犯した亡者を裁く機関が冥府。
ただ亡くなった魂は必ずしも冥府に逝くとは限らない。
逝く場所のわからない魂は、地上を彷徨続ける事もある。
そんな魂を我々神は『咎人』と呼んでいる、。
人から幽霊と呼ばれる存在だ。
その、『咎人』は、今は地上で悪さをするだけの存在だけど、過去には、色々とあって天界の神々と滅ぼそうした危険な存在なんだ。
だから天界、冥界の二界で協力して『咎人』の対処にあたる事になったんだけど……。
そんな冥府の役割は、咎人を、出さない為に、死者となった魂を、冥府に連れて来たり、生前罪を犯した者もいるから、そうした者達が、地上で再び生まれ代わり悪をして『咎人』なったりしない様に更正させたり、咎人になる可能性がある魂は地獄に閉じ込めたりと役割は多岐にわたる。
どんなに沢山の配下がいても、冥府は慢性的な人手不足にある。
だから、セリを冥府に連れて行こうしたんだと思う。
僕の娘なら、咎人に抵抗し得る力があると思ってね。
「それって、わたくしが、その『咎人』を退治、出来るってこと?」
「うん。少なくとも、エンマはそう思ってるみたいだ。
だけど、エンマは、君を戦いの道具にしたりはしないとは思う。
命を危険にさらす様な事は無いよ。
冥府にはリアがいる。もしセリが、彼女、いや母様と暮らしたいなら、冥府で暮らしていいんだよ」
母様は、もう顔の声も思い出せない、わたくしにとっては、父様以上に遠い存在になってしまっているし、今の暮らしが、大事なのに、今になって言われても…。
「そして、僕もその『咎人』と戦ってる。
だから僕の所にいたら、セリもいつか戦いに巻き込まれしまうかも知れない……。
この地上こそが、咎人が出現する場所だから。
もしセリが、平穏に暮らしたって思ってるなら、僕の所にもいない方がいい」
え?!それって、わたくしに、ここにいるなってこと?
なんか急に赤子の頃に戻ってしまったみたい…。
赤子の時もそうだけど、やっぱりわたくしの事、嫌いなのかな…。
「父様は、わたくしがいない方がいいの…?わたくしは邪魔…?
わたくしの事…、嫌いなの?」
だから、赤子だった、わたくしを、捨てようしたのかな…。
うう…なんだか、急に悲しくなってきましたよ。
「そうじゃないよ。ただ僕は戦いに巻き込見たくない。この戦いに終わりは無いんだ。この地上に生まれる命が有る限り、咎人は生まれてくるから…。セリには、危険と無縁で幸せになって欲しいんだ」
わたくしの幸せ…。
「本当?なら、わたくしは、父様と一緒にいるね」
「え?」
何でそこで驚いた顔するんでかね??
「僕と一緒にいたら、これから、もっと危険な目に合うかも知れないよ?」
ええ、そうでしょうね。
でも、わたくし生まれた時から、人生波乱万丈でしたから…。
まあ、きっとなんとかなるでしょー。
「うん。わかってる…。でもそれは大丈夫!!だって父様が、守ってくれるんでしょー」
「それは勿論、そうだけど…」
「わたくしは、今が一番幸せ。ここがわたくしのお家なの、だから、父様、これからも、わたくしと一緒に幸せ暮らそうね」
そう言って、両手を伸ばせば、当たり前の様に、
父様はわたくしを、抱っこしてくれる。
「うん。わかった。たとえ何があっても僕が守るし、どんな望みも叶えてあげる、その代わり、決して死んだりしないでくれる」
「うん。ずっと父様の傍にいるよ」
こうして、わたくしは、ずっと父様と暮らす事になったのです。
ユニークが、1500人を突破いたしまた。
沢山の方に読んでもらえて大変うれしいです。
また次の金曜日~日曜日の間に3話を更新いたします。
よろしくお願いいたします。