表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の娘  作者: アイ氏
13/269

12話

他の人は、色々と噂話をしていますね。


『まだ生きていたとは』


『人質として、なんの役にも立たなかった王子か』


『この間、国は滅んだ。あの王子もさっさと消しまえばいいのに』

『相変わらず、みすぼらし』


『まともに、会話も出来ないとは』


『最早、亡国の王子だ。生きていてもなんの意味もない』


『陛下も存在を忘れていたのでは』



耳をすまして噂話を聞くと、どうやら、あの子は、この間まで戦争をしていた国の王子様みたいです。


その国の、王族は皆処刑されたとの噂を聞きましたが、生きてる方がいたんですね。



この国は、従属した国や、和平を望む国から、人質を取っている。


まあ、人質だけで、必ずしも平和が保たれてる訳では、ありませんが…。


当然、祖国が、背いたら、人質の命は無い訳で……。


祖国にも、家族にも見捨てられ、この国でたった1人で生きているのだとしたら、とても可哀想です……。


あの子の贈り物のは、かわいい本物の子うさぎちゃんです。


白いフワフワの毛と赤目が、けんちゃんと同じで、親近感が湧きますね♡


「かわいい、うさぎたんあーと」


わたくしは、うさぎのかわいい姿に心を奪われ、何気に、お礼を言ってしまったので、周囲は、再びざわついてしまいました。


『まあ、姫様が、お礼を…』


『今まで、誰の贈り物にも、興味を示されなかったのに…』


『姫様に取り入って、国の再興でも狙っているのか…』


父様も、わたくしの、喜んでいる様子をみて、あの子に言葉をかけます。


「娘もとても喜んでいるよだ。ありがとう。えっと…?………。まあ、ともかく、僕からも礼言う」


あらら、父様も、あの子が誰かわかって無い??

あの子の存在忘れてました??


わたくし、余計な事を言ってしまったでしょうか??


ここで、目立ってしまって、あの子が、亡国の王子様だと、思いだされて、処刑とかされた大変です!


(父様、そのまま、ずっ~と忘れててね~)


わたくしは、心からそう、祈るのでした。


そうして、疲れた、わたくしは、お部屋に帰ることに…。


まあ、主役、無しでも、大人達は宴は、続けてますよ~。


(う~ん。疲れたました)


お部屋に戻って、やっとゆっくりできます。


「あ~。疲れた。来年は、もう少し考えて無いとな……」


一緒に、お部屋に戻った、父様もお疲れのようです。


うんうん。来年は、もう少し質素にお願いいたします。


父様は、部屋の机の上に置いてあった、箱を開け、わたくしの所に持って来ます。


「セリ、誕生日おめでとう」


箱の中には、綺麗な、花の形をした薄桃色珊瑚(うすももいろさんご)の髪飾りが、入ってます。

珊瑚の花には、小さな真珠がちりばめられ、とても素敵です♡


「ふぁぁ♡ちれー、とーたま、あーと」


「喜んでくれて、良かったよ」


そう言って父様は、頭を撫でてくれます。


まさか、父様も贈り物を用意していたとは…。


びっくりです!


それにしても綺麗な髪飾りです。


特に、この花は、とても素敵。何の花なんでしょうか?


「このおはな、なーに?」


「ん?髪飾りの花の事かな?」


「うん」

そう、髪飾りの花ですよ♡


「薔薇だよ」


「ばら、ちれーね♡」


「気に入ったのなら、庭に薔薇を沢山、植えてあげるよ。まあ、残念ながら、春にならないと花は、咲かないけどね」


「ほんと?」


「ああ。そのくらい、いくらでもきるよ」


ふぁぁ♡この素敵な、お花が沢山、咲くお庭、とても楽しみです♡


宴は、疲れただけでしたが、最後に、父様のお陰で、素敵な誕生日になったのです♡



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ