第12話「仲間」
「セリアは、これからどこに行くんだ。」
俺は、洞窟の外に出るとセリアにこれからどうするのかを聞いた。
「そうだなぁ。私は、元々冒険者になるためにこの辺に来たからシラークに向かおうと思っている。」
シラークとは、俺が今宿を取っている街の名前だ。
セリアは、今から冒険者登録をしに行くらしい。
「じゃあ、なんでジャイアントアントと戦ってたんだ。まだ冒険者になってないんだろう。」
そう言うとセリアは、少し恥ずかしそうにしながら答えた。
「えっと、今まで旅しながらシラークに向かってたんだがお金が無くなって魔石を集めてからシラークに行こうかと思って。」
俺は、それを聞いて愕然としてしまった。
お金が無いからと言ってジャイアントアントの群れに一人で戦いに行く女の子がいるんだな。
確かに、セリアは強いあの時もメタルアントが俺に襲いかかって来た時は、さっきまで数m先にいたのに一瞬でこちらまで来てあの硬い側部を貫いていたのだから。
けどそれでもそんな話を聞いていると少し笑ってしまう。
「俺も今からシラークに戻るんだけど一緒に行くか?」
俺は、今日のクエストを終えたのでシラークに一緒に行くかを聞いた。
「そうする。ギルドの場所も教えてほしいし。」
「じゃあ行くか。」
俺とセリアは、話をしながらシラークに向かった。
「ここがギルドかぁ」
セリアは、シラークに着くと早速ギルドに案内して欲しいと言って来たので俺は、セリアと一緒にギルドへ向かった。
セリアは、ギルドに着くと少しの間周りを見渡した後にギルドの中へ入って行った。
「アクト、冒険者登録するにはどうすればいいんだ?」
「あそこにいる受付の人に言えば出来るぞ。俺の時は、奥の部屋で説明や注意事項を聞かされたからたぶん同じ感じだと思う。」
「そうかなら言ってくる。」
そう言うとセリアは、受付のところに向かった。
「不思議だな。前世では、いじめられてばかりだった俺が人に何かを教えるというのは。」
俺は、少しの間その不思議な感覚を感じていた。
「アクトさん、もう終わったんですか?」
セリアを待っていると受付のマキナさんが前に立ってクエストがクリアしたのかを聞いてきた。
「ああ、この袋の中にゴブリンとジャイアントアントの魔石が入っているから換金してくれ。」
「分かりました。そういえばさっきすごく綺麗な女の人と一緒に入って来たけど知り合いですか?」
マキナさんは、セリアについて聞いて来た。
「知り合いというか、ジャイアントアントの討伐をしている時に会ったんだ。ジャイアントアントのほとんどを一人で倒していたよ。」
「そうだったんですか。また強い人がこのギルドに入ってくれて受付として嬉しいですね。」
そう言いながらマキナさんは、俺が渡した魔石を換金しに行った。
「お待たせ、冒険者登録済ませたぞ。」
セリアは、マキナさんに魔石を換金してもらった数分後に冒険者登録を終えて来た。
「なんか2週間後に古龍の討伐クエストがあるとかなんとか言ってたけどアクトは参加するのか?」
どうやらセリアは、冒険者登録の時に古龍の討伐について知らされたらしい。
「ああ、でも俺の場合はギルドからの依頼で絶対に参加しないといけないだがな。」
「そうなんだ、じゃあ私も参加しようかな。」
セリアは、古龍の討伐クエストに参加すると言ってきた。
「参加するのはいいけど討伐クエストって冒険者ランクC以上だろ、冒険者になったばかりだったら仲間もいないし時間も足りないんじゃないか?」
ランクを上げるには、クエストをクリアしないといけない。普通のクエストなら1人で受けても大丈夫だが、高難易度のクエストは条件付きで2人以上になっている。
仲間がいるんだったら2週間でランクCまで上げるのは大丈夫だと思うが、仲間がいないんだったら流石に2週間では時間が足りないと思う。
「何言ってんの?私たちがパーティーを組んだらいいだけじゃん」
「は?」
俺らがパーティーを組む。つまり仲間になるということか、確かにそれなら俺も高難易度のクエストに挑戦出来る。
「セリアは、俺と組むのでいいのか?」
「何言ってんのアクトだからいいんじゃない。」
俺は、少しドキッとした。
「それは、えっと、どういった意味で。」
俺は、ぼそぼそと小さな声で理由を聞いた。
「だって私ここに来たばっかりで知り合いいないし、でもアクトなら一様知り合いみたいなもんだし。」
ですよね。
まあ、期待なんか一切持ってなかったです。本当に。決して。
「セリアがいいなら俺も別にパーティーを組んでも問題ないよ。俺も冒険者になったばかりで一応仲間はいないし。」
「じゃあ、決まりね。早速明日からクエストを受けるつもりだから明日ギルドで待ち合わせね。」
「ああ、分かったよ。」
俺とセリアは、パーティーを組むことになり、セリアは、待ち合わせの時間を俺に言うと宿を取ると言ってどこかに行ってしまった。
「仲間か。」
俺は、少し嬉しいと感じている。
中、高では、周りに誰もいなくて誰かとつるむといっても唯パシリにされていただけだったから、そんな俺に仲間が出来たのはなんとも嬉しいことだ。
俺は、この嬉しい気持ちを抱えて宿に向かった。
評価、感想、ブックマークよろしく^_^
勝手にランキングもしてるから
1日1回ワンクリックもよろしく^_^




