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第9話「約束の街案内-ギルドからの依頼」

夕方、あれから俺とリアはたくさんの店や場所を巡り、お腹がすいてきたので街の端にあるリベリア食堂で夕食を食べることにした。

「アクトさん。メニューは何にしますか?」

リアは、食堂に着くとズキンとエプロンを付けて俺にメニューを聞いてきた。

「この前のと同じメニューにするよ、あの時の料理すごく美味しかったしな」

リアは、メニューを伝えると「わかりました。」と言ってすぐに料理を作り出した。



「アクトさん。街を巡ってみてどうでしたか?」

料理を作り終えてテーブルに運んで来たリアが俺の前の席に座り聞いてきた。

「楽しかったよ。リアのオススメの服屋に行って服も買えたし、武具店では、満足のいく装備が買えた。これもリアのおかげだな、ありがとう」

「そんなお礼なんていいですよ。」

俺は、料理を食べながらリアと今日のことについていろいろと話をした。

「そういえばアクトさんは、古龍の討伐作戦のことを知ってますか?」

リアは、俺が料理を食べ終わった後に聞いてきた。

その内容は、前にクランドという男が俺に言ってきた古龍の討伐についてだった。

「ああ、知ってるよ。前にある男からその討伐作戦に参加してくれと頼まれたんだ。」

「そうだったんですか。確かにアクトさんは強いから作戦に加われば大きな戦力になりますね。」

「俺は、その作戦に参加する気は無いぞ。」

「え‼︎、そうなんですか?」

リアは、少し驚いた後すぐに理由を聞いてきた。

「なんでですか?作戦に出て貢献したらきっと冒険者のランクも上がりますよ。」

確かに、古龍と言われているくらいだから討伐することができれば冒険者としてのランクが上がるだろう。けど、もし討伐に成功したら仲間に誘われたりするかもしれない。

俺は、この世界の住人が嫌いという訳では無いが、やっぱり前の世界でのことがあるから少しパーティーを組んだりするのには抵抗がある。

「ランクは上がるかもしれないけど、あまり自分の強さに自信がないだ。」

リアに前世の話をする訳にはいかないから別の理由をつけて作戦に出ないことを話した。

「そうですか。なら仕方ないですね。」

リアは、以外とあっさり受け入れた。

「それじゃあ、時間も遅くなったし俺は帰るよ。」

外を見ると、真っ暗な夜だった。

「そうですね。それではアクトさんまた食べにきてくださいね。」

リアは、笑顔で俺を見送っていた。



「明日は、クエストでもしようかな。」

俺は、宿に行く前にギルドへ行くことにした。冒険者の活動をするのが初めてなので、ギルドが出しているクエストを確認しないといけない。

それから10分程歩いてギルドに着いた。

「なんでこんなに冒険者がいるんだ。」

ギルドの中や外には、100を超える程の冒険者が集まっていた。

「なぁ、なんでこんなに冒険者が集まってるんだ?」

俺は、ギルドの近くにいた男に理由を聞いてみた。

「そりゃあ、あんたも冒険者なら知ってるだろう。ギルドが正式に古龍の討伐作戦を発表して、冒険者を集めているんだよ。」

「そうだったのか。だからこんなに大人数の冒険者が集まっているんだな。」

俺は、冒険者にならたてだったからあまりそういったことは聞いていなかった。

「あんた、なりたての冒険者なんだろうだったらこんな作戦でない方がいいよ。こんな人数の冒険者がいてもきっとたくさん死人が出るはずだ。」

男は、親切に言ってくれた。最初からそうするつもりだった俺は、とりあえず礼を言ってギルドの中に入った。



「失礼します。ホシノベ・アクト様でしょうか?」

ギルドが出しているクエストを確認していると受付の男性が訪ねてきた。

「あぁ、そうだが。」

「少しお時間を取らしてもらってもよろしいですか?」

受付の男性は、そう言って奥の部屋を指した。

「わかった。」

大事な話があるようなので俺は承諾し、前に冒険者登録をした部屋に連れてこられた。

「少しの間待っていて下さい。」

そう言って部屋から出て行った。


ガチャ、

あれから、5分程経つと扉がゆっくり開いて部屋の中に見覚えのある女性が入ってきた。

「こんばんは、アクトさん。」

部屋に来た女性は、冒険者登録をした時に担当してくれた人だった。

「えっと、・・・」

「あの時に紹介してなくてすみません。私は、マキナ・ティベルと言います。」

そう言って俺の向かい側のソファーに座って話をしてきた。

「改めて今日は、お時間ありがとうございます。」

マキナさんは、まず始めにお礼を言い、用件を伝えてきた。

「アクトさんは、ギルドが古龍の討伐作戦を発表したのを知ってますよね。」

「ああ、だからあんなに冒険者が集まってたんだろう。」

「はい、今回討伐作戦に参加できる条件はCランク以上の冒険者です。」

俺は、今の言葉に疑問を覚えた。

俺のランクは、なってすぐだから駆け出しのEランク条件に合っていない。なのになぜ俺を呼んだのか。

「アクトさんはEランクの冒険者ですが、魔力量が桁外れという事でギルドからの直接依頼として討伐作戦に参加してもらいます。」

俺は、マキナさんが言ったことを理解出来ているが、受け入れたくはなかった。

少し前にリアに参加しないと言ったばかりなのに、すぐその言葉が消されるとは思っていなかった。

「勝手ではありますが拒否はできません。」

はぁー、仕方ないか。ギルドからの依頼は、拒否する事が出来ない。なら作戦に参加するしかない。

「わかりました。その作戦に参加します。」

「ありがとうございます。作戦の日時は、2週間後なのでそれまでに準備をしておいてください。」

話し合いが終わると俺は、クエストを受けずに宿に向かった。

「はぁー、2週間後かぁ」

宿に着くとすぐに布団に入ってため息をついていた。

「仕方ない。決まった事なんだし、とりあえず疲れたから寝よう。」

俺は、今日一日の疲れを癒すため寝ることにした。

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