第17話
『シュウ、この辺りが聞き出した保管場所の近くです』
「了解」
俺達はダイソンヴェールに着陸する。
機体のハッチを開けて降りる。
ミラは降りるとモンストルムに向かって両手を差し出す。
すると、モンストルムは手のひらサイズの丸い水晶玉になって、ミラの手の中に落ちた。
「そんなこと出来たんだ」
「はい、普段は必要ないですが敵地なので」
コポやレヴィンも鍵の中に宇宙船を仕舞っていた。
「おい、何をやってる。行かないのか?」
レヴィンが話し掛けてくる。
「行くさ」
返事をすると、全員で角や奪われた物がある宝物庫に向かう。
全員で敵をなぎ倒しながら先へと進んでいく。
リンの蹴りが敵の兵士に炸裂する、棒切れのように吹き飛んでいった。
「爽快だニャ!」
「コポもやるコポ!……少し勿体ないコポ」
コポは重火器を乱射していた。
「マスターの為にやります」
ミラも背後に現れた翼のような装備からビームを発射している。
「角を返して貰うのじゃ!」
イブキも相変わらずの身体能力で敵を蹴散らしていた。
「みんなやるな」
俺も敵を斬り捨てながら進む。
向こうではレヴィンが敵を雷で焼き払っていた。
しばらく進むと豪華な建物が見えてくる。
『皆さん、あの建物です』
「よっしゃ~これからはコポの時間コポ!!」
コポが猛スピードで建物に向かう。
「な、なんなのじゃ?」
「あれがジャンキーコポです」
イブキの疑問にミラが淡々と答える。
「ま、まあいいから行こう!」
コポが何するのか心配だし。
残された者達全員で建物へと入っていった、
「凄いニャ…」
リンが言葉を漏らす。
内装はほとんど黄金だ。ところどころに宝石が散りばめられており、完全な成金趣味だった。
「て、天国コポ」
小さな白玉が何か言っていた。
「奪われた一部や物はギルドが返却するから触れるなよ」
レヴィンはコポを睨みながら言った。
「し、失礼だコポ。いくらコポでもそんな事はしないコポ!」
そう言ってコポは奥へと入っていき、レヴィンは回収作業に入る。
俺は辺りを見回すとイブキに声をかける。
「この辺にイブキの角はある?」
「む~、…いや無いのじゃ」
「よし、奥に行ってみよう」
奥にも更にいろいろと置かれていた。
装備やゲノムなんかも置いてある。
「来た来た来たコポ!」
いつの間にかどこかの幽霊バスターズみたいな装備を着たコポが積み上げられた金貨や宝石を吸い取っていた。
あれは無視しよう。
「あ、あれじゃ!」
イブキが指を差して声をあげる。
そこにはケースに入った角があった。
イブキは近寄るとケースを開けて角を抱き締める。
「無事じゃ…」
「よかったなイブキ」
「うむ」
「しかし、それ治るのか?」
「何鬼族を舐めるでない」
そう言うとイブキは角を頭に着けた。
ドクンッ。
まるで胎動するかのように大気がが揺れる。
そしてイブキの身体がみるみるうちに成長していく。
子供の体型からあっという間にメリハリのあるボディーになる。
髪も少し伸び、表情も大人っぽくなった。
「ニャ!?」
「コポ!?」
「あ、あのイブキ…さん?」
「うむ、わしじゃ!」
中身は同じようだが外見が変わりすぎて接し方が分からない。
「なんじゃ?前の方が好みじゃったか?」
イブキは距離を詰めて来て耳元で囁く。
「お、おい!」
「安心せい、どちらにもなれるでな。それに…」
ポンッ。
まるで手品のように子供の姿に戻った。
「なってみるとこちらの方が楽じゃ。肩も軽いしの。ただ、リーチが短いのが難点じゃな」
そう言ってシュシュっと拳を繰り出した。
「はは」
イブキが楽しそうで何よりだった。
「おい、シュウ。こっちに来い」
急にレヴィンが呼ぶ。
ぞろぞろとみんなで向かうとそこには檻が沢山あり、捕まっている人々がいた。
「これは…」
「希少種族達だな、奴ら人身売買もしてたのか」
レヴィンが苦虫を噛み潰したように言う。
「リン、コポこの人達を頼む。船に乗せてダイソン・ヴェールを出てくれ。ミラは俺と来てくれ最後にはモンストルムが要る。レヴィンは来るか?」
「どこに行くつもりだ?」
「こんなことをした奴らをぶっ飛ばしにだよ!」
「ふっ、行こう」
「ここは任せろコポ」
「この人達はアタシが守るニャ!」
俺は頷くとミラとレヴィンと共に建物を出る。
『構造からしてここのボスは向こうに居ると思われます』
「待ってろよクズども!」
3人は駆け出したのだった。




