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狂った弱肉強食世界で最強の俺は、魔力ゼロの妹のためにすべてを壊す  作者: 黒海苔
幕間①

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43/44

幕間:ある冒険者のダンジョン探索

世界観の説明です。

 転移陣が淡く光る。


 次の瞬間、景色が切り替わった。


 湿った空気。


 薄暗い石壁。


 苔の臭い。


 地下迷宮――第三階層。


「うっわ、今日湿気やば」


 先頭の男が顔をしかめた。


 肩には大剣。


 腰には血の乾いた短剣。


 首元には銀等級の冒険者証。


 その後ろを、三人の奴隷が続いている。


 荷物持ち。


 回復用。


 囮。


 役割は、それぞれ違った。


「おい、離れるな」


「……はい」


 少女たちは小さく頷く。


 首輪が鳴る。


 革鎧は薄い。


 武器もない。


 必要ないからだ。


「今日は運良けりゃオーク層まで行けるか?」


「行けるだろ。最近この辺ぬるいし」


 会話は軽い。


 散歩でもするような空気だった。


 曲がり角の奥から、唸り声が響く。


 緑色の肌。


 歪んだ牙。


 棍棒を持ったゴブリンが二匹。


「いたぞ」


「雑魚」


 一歩。


 それだけで距離が消える。


 剣閃。


 ゴブリンの首が飛んだ。


 もう一匹が叫ぶ前に、短剣が目に突き刺さる。


 崩れる。


 血が床を濡らした。


「はぁ、つまんね」


 冒険者は剣を払った。


 背後の奴隷少女たちは、黙って死体処理を始める。


 袋を開く。


 魔石を取り出す。


 血で汚れた布を回収する。


 慣れた動きだった。


「おい、その耳切っとけ」


「……はい」


 獣人の少女が、小刀を握る。


 ゴブリンの耳を切る。


 討伐証明。


 数を持ち帰れば報酬になる。


 手が震えていた。


「何やってんだよ、遅ぇ」


「すみません……」


「使えねぇな」


 蹴り。


 少女が壁にぶつかる。


 だが、誰も止めない。


「まぁいいや。次行くぞ」


 通路を進む。


 迷宮の奥へ。


 途中、別パーティとすれ違った。


 男二人。


 女一人。


 そして奴隷が四人。


「おー、生きてる?」


「まぁな」


「下、オークいるぞ」


「マジ? ラッキー」


 軽い情報交換。


 命のやり取りが行われる場所とは思えない空気だった。


 その横で、奴隷同士が一瞬だけ目を合わせる。


 それだけ。


 会話はない。


 勝手に話すと怒られるからだ。


 さらに奥。


 広間。


 水音。


 そして。


「……いた」


 二メートル近い巨体。


 赤黒い肌。


 鉄斧。


 オーク。


 鼻息が熱を帯びる。


 奴隷少女の一人が、小さく息を呑んだ。


「ビビんな」


 冒険者が笑う。


「お前らの方が役立つまであるわ」


 オークが突進する。


 床が揺れる。


 だが。


「遅ぇ」


 男は真正面から踏み込んだ。


 剣が振られる。


 斧が砕ける。


 次の瞬間、オークの胸が裂けていた。


 血飛沫。


 絶叫。


 巨体が崩れる。


「はい終了」


「やっぱオーク弱ぇな」


「最近、浅層しか出ねぇし」


 笑い声。


 その足元で、奴隷少女が震えていた。


 死体ではなく。


 冒険者を見て。


 圧倒的な力。


 それが、この世界の序列だった。


「おい」


 声が飛ぶ。


「魔石取れ」


「……はい」


 少女は血だまりへ入る。


 熱い。


 生暖かい。


 内臓の臭いがする。


 だが、顔色を変えない。


 変えると怒鳴られる。


「慣れたな」


「最近マシになった」


「最初吐いてたのに」


 笑いながら、男は壁にもたれた。


 水を飲む。


 その間、奴隷たちは働き続ける。


「なぁ」


「ん?」


「あの白髪、売る?」


 男の視線が、一人の少女に向く。


 白い髪。


 細い身体。


 無表情。


「いや、まだ使える」


「回復持ちだっけ?」


「微弱だけどな」


「なら当たりか」


 商品を見る目だった。


 人間を見る目ではない。


 少女は聞こえている。


 だが、反応しない。


 反応すると、期待するからだ。


 期待すると壊れる。


「次行くぞ」


「今日は五階層まで潜る」


「魔力切れたら回復使わせりゃいいし」


 冒険者たちは歩き出す。


 奴隷たちは荷物を背負い直す。


 暗い迷宮。


 滴る水。


 腐臭。


 血。


 呻き声。


 その奥へ。


 誰も疑問を持たない。


 それが、この世界では普通だった。

とりあえずこれで幕間は終わりです。本当はもっと具体的な描写を入れたかったんですけど、ノクターンに行けと怒られそうなのでやめました笑


面白いと感じましたら、ブクマ、評価、コメント等をよろしくお願いします。

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