98/133
第九話 1
優菜は、絶対安静の面会謝絶になり、病院のベッドで寝ていた。
「身体が柔らかいのが幸いしたのか、骨折もしていないし内臓も損傷はありません。しかし、頭を強く打っていて、視力の低下が激しい。網膜剥離を起こしている可能性があります」
優菜の主治医はこう言った。最悪の場合、失明するかもしれないということだった。
病室の外で、太蔵爺ちゃんが泣いていた。太蔵爺ちゃんはずっと、「優菜、すまない……」と何度も何度も同じことを呟いた。慌てて駆けつけてきた優菜の両親も、商店街のみんなや、祐樹や芳子や隼人や美帆や僕も、そっと優菜の快復を信じて待つしかなかった。




