57/57
エピローグ 終わらない設定会議
文化祭から数日後。
放課後の漫画研究部。
部長が一枚の紙を手に、二人へ声を掛けた。
「文化祭のお前たちの漫画、好評だったみたいだぞ」
悠斗は思わず胸を撫で下ろす。
「……よかった」
花音は両手を上げて飛び跳ねた。
「やったー!」
部長は小さく頷く。
「それでなんだが」
「その実力を見込んで、漫画・イラストコンテストに参加してもらいたい」
花音は勢いよく手を挙げた。
「やるやる!」
その隣で、悠斗は間髪入れずに叫ぶ。
「絶対嫌だ!」
花音は不思議そうに首をかしげる。
「なんで?」
悠斗は遠い目をしながら答えた。
「また設定会議から始まるやろ……」
花音は満面の笑みで頷く。
「もちろん!」
悠斗は机に突っ伏す。
「勘弁してくれぇ……」
部長はそんな二人を見て、静かに笑った。
今日もまた、新しい物語が生まれようとしている。
――ただし、漫画を描き始める前に。
きっとまた、長い長い設定会議から始まるのだろう。




