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第55話 次回作
文化祭の帰り道。
夕焼けに染まる通学路を、悠斗と花音は並んで歩いていた。
しばらく無言で歩いていると、花音がふと思い出したように口を開く。
「そういえば昨日の、大魔法使いの話なんやけど」
悠斗は足を止めた。
「……まだ続くんか」
花音は嬉しそうに頷く。
「主人公は世界最強だけど、能力を隠して学園に通うの」
「しかも実は伝説の大魔法使いの生まれ変わり!」
「敵は魔王じゃなくて――」
悠斗は両手で耳を塞ぐ。
「聞かん!」
「しばらく話作るのは禁止や!」
「脳みそ休ませてくれ!」
花音はケラケラと笑った。
「えー!」
「まだ設定三つしか考えてないよ?」
悠斗は思わず叫ぶ。
「もう三つもあるやないかーーー!!」
夕焼けの通学路に、二人の笑い声が響く。
こうして今日も――
二人の設定会議は、終わらないのだった。




