一
いつものように先生の授業を右から左に聞き流しながら、黒板に書かれていることをノートに書き写す作業をする。ちらりと黒板の上にある時計を見てみると後、10秒で終わる。
8,7,6,5,4,3,2,1
授業を終了する合図が鳴り響き、それに伴い周りががやがやと騒ぎ出す。
「はい、ここで終わりにしますから静かにしてください。日直の田中くん号令を。」
「起立、 礼」
『ありがとうございました』
授業終了の挨拶をし、先生が出ていく。
本日最後の授業を終えたことで一気に眠気がきて欠伸が出た。昨日バイトが忙しくふらふらの状態で今日提出の大量にあった宿題を終えてから寝たため昨日、いや今日は三時間も寝ていなかった。そのため朝からずっと眠い。もう一度欠伸が出てきた。
「そんなに大きな欠伸して大丈夫?西谷くん」
きれいな声で苗字を呼ばれたためそちらに振り向くと可愛いらしい清楚な美少女がそこにいたため、顔をしかめる。
「んん?どうしたの?」
まぶしい笑顔をしながらそんなことを言った彼女は星河 奏である。身長は女子の平均より少し小さく、清楚を極めたかのような黒髪美少女である。外見だけはだが
「何の用?星河?」
「なんか疲れてそうだったからどうしたのかなって」
「昨日はファミレスのバイト終わった後、今日までの宿題やるの忘れたから終わらすのに睡眠時間削っただけだから大丈夫だって。自業自得だしな。」
ふぁと一つあくびをする
「最近は風邪が流行ってるから睡眠時間削ったら良くないよ。それにバイト頑張って居るのは解るけど、学生の本分は学業なんだから大変かもしれないけど宿題をする時間を取らないとダメだよ。ふうちゃんも心配するから気を付けてね。」
「メッ」っと、同級生に叱られるのは何とも言えない気持ちになるが、美少女が何をしても絵になるなと客観的に思えてしまった。そして、話しかけてくる理由も珍しい。
"ふうちゃん"って言うのは同じクラスにいる双子の姉である西谷楓のことだ。楓と言う字はふうと読めるため、ふうちゃんらしい。
姉は俺と違い学力良し、運動良し、で周りから信頼され生徒会長をしている。
普通はこんな美少女と関わる機会なんて無いだろう。だが関わってしまった。
いや、ラブコメの男女関係とかの関わりじゃなくても、友人とかの一般学生の関わり方であれば、男なら泣いて喜べるが常にこいつの言動にはしっかりと注意をしていなければならないことがもはや癖になってしまった。何故なら...
「はあ、今日もふうちゃんかっこかわいい...」
まるで恋する乙女のように姉を見る姿はどこか狂気を感じる位目がハート型になっているために、引いてしまう。そうこいつはうちの姉をそっちの意味で大好きだと言うことだ。
これが多少のあこがれとかなら良くあったしうちの姉が外面はとてもクールな印象がある為解らなくもないが、ここまでガチなのは今まで類を見ない。
一部例を挙げるなら、姉の家族構成・行動などを把握している、隙を見て飲食に媚薬を仕込むなどの行動をとるレベルで危険な奴だ。基本周りに被害が出ていない(他の男女が姉に近づきすぎていると黒いオーラを出す時がある)が俺の精神だけをガリガリと削っていくため、すごく苦手だ。
後周りの一部男子諸君頼むから嫉妬の目で見ないでくれ、お願いだから。こいつの本性はガチの百合で若干メンヘラ入ってる奴だから。
「そうそう!放課後相談が」
「よっ!西谷何話してるんだ?」
首に手を回してきたのは神谷だ。こいつはものすごくモテるが本人は星河一筋なため何度も告白を振っていいるが天井知らずのモテ男だ。
星河の本性知ったらどうなるだろうな?個人的にはこいつが星河とくっついてくれたら個人的には万々歳何だが。
「世間話かな?ね?」
「そうですねー」
適当な棒読みで答える。下手なことを言うと色々メンドクサイ。早くHR始めてもらって家に帰らせてほしい。今日は久しぶりにバイトが入ってないからゆっくりしたい。
「おらー席につけ~。ホームルームはじめられないだろ~が」
気のない長谷川先生の声に、騒いでいた周りが席に戻っていった。
「じゃあ、後でね?」
「後でな」
強制ですが。そうですか。あの二人、見た目だけならお似合いだとおもんだけどな。
ホームルームが終わった後がより憂鬱になり、机にうつ伏せになる。
「ああ、面倒だ」
周りに聞こえないように小さく呟く。
”よし、寝よう。あの二人が起こしてくれるだろう...”
ふあ、と一つあくびをして、眠気に誘われ意識を落とした。




