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ブロローグ

  "異世界転移"と言うものをご存知だろうか?





 よくあるハイファンタジー小説で起こる文字どおり主人公たちが異世界に転移するところから始まるジャンルだと俺は解釈しているがまあ、それはいいとしてそのような小説は主人公が勇者として呼ばれるところから始まるのが一般的な始まる話だ。

 主な流れとしては、異世界に呼ばれる主人公が非現実的な出来事になれているようにその世界に早い段階で順応する、可愛い美少女ヒロイン達の問題を解決またはピンチな場面に遭遇し助けプラグを作る、元の世界に帰るため魔王や元凶を倒し異世界を救うが大体流れの定番だったと思う。

 他には最近の傾向には、主人公の能力が周りの人たちと違い低いため見捨てられ、追い出されてしまう等の不遇の扱いを受けながらどん底に成り上がって最強になるとかの作品や、勇者になる人に巻き込まれ転移し、主人公は勇者ではないが勇者になったやつよりも能力が上の力を手に入れ、他の奴らに目もくれず異世界ライフを満喫していく等、最近は様々なパターンがあると友人から聞いたり見せて貰ったことがある。

 しかし、考えてみてほしい実際に現実で起きた場合、そんなに冷静に対処することが出来る奴が居るのだろうか?


 まず前提として主人公たちは平和な日本で学生をしていた、または働いていた人達というにもかかわらず非現実に直面したときの反応がおかしい。普通は慌てる又は頭が真っ白になるはずだ。

 

 そしておかしいのが、自分の能力を理解するのが恐ろしく早い。来たばかりなのにゲームで言うところのルール的なもの、例えば魔法とかをすぐに使い戦えることがおかしい。特訓をし、慣らしたからといっても練習と本番は違うし、命の危険性を理解出来ないほどのバカにはそもそもすぐに殺されてしまう世界のはずだ。流石ご都合主義とと言うべきだろう。


 まあ、ここまでの結論から言うと自称普通の高校生である俺には主人公何て出来ないし、ましてや勇者になるなんて向いていない話だ。


 さて、そもそもこんな訳のわからない前置きを長々としてる理由なのだが...




「はあ、はあ」と息を荒げ疲れながらも、立っている俺のクラスメイト”神谷かみや 和也かずや”の前に居る巨大な体躯と硬い鱗そして鋭利の牙を持った生物が血を流しながら倒れている。空想上の生き物ドラゴンと熊を掛け合わせたかのような生物、この世界でいうところの魔獣と呼ばれる存在が、神谷によって討伐されたことが、一目でわかる状況だがこいつは約1か月前までは平和な国に住んでいた普通の文武両道のイケメン(文武両道のイケメンが普通かの定義は置いておいて)だったはずだ。

 それが、1か月後の今は目の前にいる化け物を倒すまでに至っている辺り、先ほどまで現実逃避で淡々と脳内議論をしていた異世界転移系主人公がこいつだってことと、この理不尽な力を手に入れてしまった現状にため息をつく。本当に何でこんなことになってしまったんだか。

 この世界に呼ばれた主人公(神谷)がどうなるか、又は他の奴が何かを成し遂げるのか?俺がやるべきことの片手間がてら、見ているのは面白いかも知れない。


 もし、この世界を物語に例えるなら主要人物と呼べるのが三人。



 その三人が主人公ならどんな物語を描き出すのだろか?


 


 正義感の強い青年はLove&peaceを信じ、人々を助けながらヒロインを攻略する王道の物語を


 完璧超人の美少女は自身の持つすべてを使い、人々を導く歴史上に存在する英雄の様な物語を


 清楚で優しい美少女は内に秘めているものを隠しながら、人々をまるで聖女の様に救う物語を作り出してくれるだろう。




 そんな書物にしか無い様な物語を近くで見れると思うと、



 「ククク」 


 笑い声が出てしまうほど楽しみで仕方がない。

 



 これがもし俺なんかが主人公だったら、絶対につまらないだろう。だが人生の語り手は常に自分自身であり、他人に成り代わることなどできはしない。ならあの三人の様に物語を描くなら俺はどんな物語か?

 そんなことは決まり切っている。


 前世を持った自称普通の高校生が前世で仲間だった奴らの足取りを探すつまらない物語だ。

 









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