マッチングアプリでの出会い 6
もちろん、純さんが職業柄相手を話題に乗せるのが上手いということもあったでしょう。
自分で言うのもなんですが、私はLINEでのやりとりもかなり素っ気なくて、絵文字やスタンプなんかもほとんど使いません。
ぶっちゃけ女子力皆無です。
その素っ気なさをつまらないと考える男性が多いようで、今までやりとりが続かなかった原因の一つでもありました。
でも純さんはそれを気になさる様子もなく、私が返信に詰まってる時や見当違いのことを言ってしまった時も根気強く接してくださいました。
それは、ホストという職業とは関係なく、純さんの生来の優しさなのだと思います。
だから、私は純さんとのやりとりが楽しかったし、いつか返信を心待ちにしている自分がいることに気づきました。
なのに--
「あんた、バカじゃないの?」
純さんとのやりとりが始まってすぐ、私は幸子さんにそのことを報告しました。
で、第一声がこれです。
「そんなの騙されてるに決まってんじゃん。そうやって上手いこと言っていい気にさせて、お店に来ようとさせてるだけでしょ」
やっぱりそうですかね。
「当ったり前でしょ? 考えなくても分かるわよ」
・・・ですよねぇ。
薄々分かってはいたんですが、認めたくなかったんですよね。
とはいえ、純さんが私とやりとりするメリットなんてそれしかないんですよ。
実は、マッチングアプリで純さん以外にも二人ほどホストさんに声をかけられたんです。
一人の方はすぐに
「今度一緒にお酒飲みに行こう」
と誘ってこられました。
「あまりお酒飲めないので・・・」
とお返事するとそれきり音信不通。
もう一人の方には分かりやすく
「今度お店に遊びに来て」
と誘われました。
返信を躊躇っていると
「お前みたいな地味な女に時間かけてられないから早く返信しろ」
的なことを言われてしまいました。
こういうのを「営業をかける」というらしいです。
ところが、純さんは一切そんなことはおっしゃらなかったし匂わせもしませんでした。
だから、もしかしたら・・・ってちょっと期待してしまっていたのですが・・・。
幸子さんに断言されて我に返りました。
「あっちはプロなんだから、あんたみたいなウブな子を騙すなんて朝飯前でしょ。嬉しくなるようなこと言われたかもしれないけど、そんなの何十人もの女に何十回も同じこと言ってんのよ」
ですよね。
分かってます。
「やめときなさいよ、愛香。もうそいつと連絡取らない方がいいよ。最終的に傷つくのは愛香だよ」
「そう・・・ですよね」
分かってるんです。頭では。
だけど、純さんとのやりとりはそれでも楽しくて・・・。




