マッチングアプリでの出会い 2
翌日。
「ね、どうだった?」
成果を待ち構えていたらしい幸子さんは、朝イチでマッチングアプリについて聞いてきました。
もちろんその表情は期待に膨らんでいます。
ですが、当然ながらご期待に沿うことはできません。
「それが・・・」
私は昨日の経過を一部始終お話しました。
女性を売り物のように扱うひどい男性がいたことも。
それなら幸子さんも納得して同情してくださるだろう--なんて考えた私がバカでした。
「バッカじゃないの!? そんなアホな男は放っときゃいいのよ! 寄ってきた男の中から適当にいいの見繕って返信すりゃいいんだから。
下半身にしか脳みそのない男なんて、相手してやるだけ時間の無駄でしょ?」
「見繕って、ですか・・・」
「だって、中にはまともそうなのも何人かはいたでしょ?」
「いた、かな・・・?」
「いなけりゃ探す! ほら、もう一回!」
幸子さんは諦めません。
ということで、昨日と同じことが今日も繰り返されました。
とってもデジャヴを覚えます。
「いい? 少しでも変なやつは無視するのよ? 全員に返信する必要ないんだから。年齢とか外見とか、とにかく愛香の好みの男がいたら反応を返してやるの」
念を押され、渋々うなずきます。
ということで、マッチングアプリ再登録。
※ ※ ※
幸子さんの助言を受けて、心苦しくはありますが少しでも変なことを言ってくる男性は無視することにしました。
それに、幸子さんに言われて気づいたのですが、私も男性なら誰でもいいというわけではありません。
自分でも驚いたことに、今まで好みの男性について考えたことがなかったので「男性を見繕う」ということがピンとこなかったのです。
でも確かにあまりに年齢が離れすぎている男性だといろいろ合わなそうですし、外見にはこだわりはないつもりでしたが・・・男性のプロフィール写真を見ていると、パッと見て
「あ、この人よさそうだな」
と感じる方は確かにいらっしゃいます。
それが要するに「好みの男性」ということでしょう。
そんな感じで声をかけてくださった男性を取捨選択していきました。
サイト内でのやりとりから始まり、連絡先を交換します。
さらにやりとりを重ねて、気が合えば実際にお会いする--という流れになるはずなのですが、現実はそううまくはいきません。
仮にマッチングしたとしても、男性の方も複数の女性に同時に声をかけているわけで、より好みの女性がいればそちらにいってしまうわけです。
それに、メールやLINEでのやりとりの方が気軽に話ができると思ってましたが、意外にも会話がはずまなかったりします。
その辺りは、やっぱり私のコミュ障が原因でもあるのでしょう。
途中でくじけそうになりましたが、何しろ幸子さんが睨みをきかせ・・・優しくサポートしてくださるので、やめるにやめられません。
それでも、根気よく続けるうちにコツのようなものも分かってきましたし、一ヶ月たつ頃には一人の男性と実際にお会いしたりもしました。
ただ、その男性はプロフィールで拝見したのと実物が大分違っていて・・・要するに写真をめちゃくちゃ加工なさっていて、しかも話し方とか態度とか・・・いろいろ合わないなと感じたのでそれきりになりました。
まぁ、そういうのも実際お会いしてみなければ分からないことです。
そして--あの出会いがあったのです。




