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入店2回目 6 ~ヘルプさんと猫と手品と兎さん~

顔が熱くなって思わずうつむいてしまった私ですが、店内が暗かったのでお二人には見えなかった・・・はず。


 そこで、純さんがおもむろにいつもシャツの胸ポケットに差しているサングラスを取り出されました。


サングラスと言っても星形でプラスチック製の面白グッズみたいなやつ。

いつも持っていらっしゃるようなので、ある意味純さんのトレードマークと化しているのかもしれません。


純さんがそれを頭の上にかけると、旭貴さんがすかさずボケてみせます。


「あー、ほら、愛香ちゃん見て見て。純さんの目が四つになっちゃった!」


 えーと。


これはどう突っ込めばよろしいのでしょうか。


対応が分からず、私は半笑い。


――と、そこで純さんが何かに気づかれたようです。


私をジーっと見つめると、徐々に顔を近づけていらっしゃいました。


反射的に私は身を引くのですが、背中はすぐに壁にぶつかります。


それでも純さんの顔がだんだんと迫ってきて・・・。


もう吐息がかかるくらいの至近距離です。


こ、これは、も、もしやキ、キ、キ・・・キ、ス・・・!


「愛香ちゃん、もしかして眼鏡の度が入ってない?」


 ・・・・・・なわけないですね(泣)。


ていうかここ店内ですし。


自意識過剰ですみません。


「あ、そ、そうなんです。これ、伊達メガネで・・・」


 そうなんです。


私の眼鏡には実は度は入ってません。


大学入学と同時にかけ始めた眼鏡ですが、別にファッションのためではありません。


眼鏡をかけていると落ち着くんです。


紗幕一枚隔てて世間と接しているような感覚になるので、コミュ障の私でもどうにか人間関係を保てている感じです。


私にとって眼鏡は言わば防御壁か鎧のようなものです。


「ちょっとごめんね」


 そんなコミュ障の自分の心を見透かされてしまった気分になって顔を伏せていると、純さんの手が伸びてきました。


そして、謝罪の言葉と共にスルリと眼鏡を取られてしまいます。


「あ・・・っ!」


 反射的にそれを防ごうとしたのですが後の祭り。


既に眼鏡は純さんの手の中にありました。


大学以来人前で眼鏡を外したことのない私は、眼鏡がなくなるととても心許ない気持ちになります。


素っぴんで街中を歩いてる感じ。


落ち着かなくて恥ずかしすぎて、純さんに顔を見られたくなくて、慌てて両手で顔を覆いました。


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