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初回 1 ~シャンパンコール~

 仕事が忙しかったせいもあって、一週間は瞬く間に過ぎていきました。


お店に行く約束をしたあとも、純さんは今までと変わらず連絡をくださいました。


『お店に行く時ってどんな服装で行けばいいんですか?』


『別に普通で大丈夫だよ。ドレスコードとかないし』


 そうは言っても、普段着で行くわけにはいかないでしょう。


そこは素直に幸子さんに相談することに決めました。


『あ、でも顔写真付きの身分証は忘れないでね』


 初回の時には身分証の提示を求められるらしいです。


ブルダは二十歳未満の入店をお断りしているので、それを確認する意図もあるのでしょう。


私がホストクラブに行くというお話をした時には烈火のごとくお怒りになった幸子さんでしたが、洋服選びには快くお付き合いしてくださいました。


コミュ障の私がホストクラブに行く決心をしたなんてよくよくのことだと考えられたらしく、


「まぁ、愛香にはいい経験かもね」


 なんて言い出します。


「イケメンに囲まれて、少しは男に慣れておいで」


 だそうです。


頑張ります。


※           ※          ※


 ということで、土曜日です。


――と、その前に、ブルダについて少しご説明しておきますね。


私もホームページから情報を得ただけなのですが、ブルダに所属するホストさんは現在全部で19人。


よく「No.1ホスト」という言い方をしますが、ホストさんたちはそれぞれ序列が決まっていて、純さんは暫定No.15。


13卓しかない少し小さめのお店なので、今は皆様一丸となってもっと広いお店に移れるよう頑張っていらっしゃるらしいです(これは、純さん談)。


ちなみに純さんの源氏名(ホストさんでも源氏名というんですね)は桐崎純といいます。


 話は戻りまして、土曜日。


厳選に厳選を重ねた上、幸子さんが選んでくださったのは、紺のタイトめな七分袖Tシャツに海老茶のスカンツ。


足元は灰色のパンプス。


パンプスは今回新しく購入したもので、服装に似合うバッグは幸子さんが貸してくださいました。


さて、いざ出陣――というほどの意気込みではもちろんありません。


純さんには一度お会いしていますし、今回はそれほどの緊張は・・・と思っていたのですが、やっぱり電車に乗って新宿が近づいてくるとドキドキが止まりません。


ただでさえ初めて行く場所には心理的に構えてしまうくせがあります。


まして今回はホストクラブ!


そして純さんの職場(それは関係ないか)。


何より、幸子さんのおっしゃった通りイケメンに囲まれるのです。


純さんお一人でもおたおたしてしまうのに、イケメンが群れをなす中に飛び込むなんて・・・!


それに気づいたら、背中をタラーリタラーリと冷や汗が流れ始めます。


絶対挙動不審になります。


っていうか、固まります。


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