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ドキドキの初対面(はつたいめん) 6

※          ※          ※


「ねぇ、結局あれからどうなったの?」


 月曜日、出社すると心配顔の幸子さんにそう聞かれました。


純さんとのやりとりを咎められて以来、幸子さんには一切何も報告していませんでした。


いたずらを見つかった子供のようにギクッとした私は、必死に言い訳を考えるものの何も浮かんできません。


ですが、幸子さんは私の一瞬の躊躇いを見ただけですべてを察したようです。


「まだあのホストとやりとりしてるんだ?」


 すごーく不満そうなお顔。


蛇に睨まれた蛙のごとく、私はタラーリタラーリと脂汗をかいてうつむきます。


「まさか、会ったとかじゃないよね?」


 そのまさかです。


幸子さんには隠し通すことができず、結局お店に行く約束をしたことまで白状させられてしまいました。


「だーかーらー! 言った通りじゃない!」


 幸子さんの怒りに瞬間的に火がつきました。


「やっぱり騙されてる!」


「騙されてはいないのでは・・・」


「結局お店に行く約束させられたんでしょ?」


「させられたんじゃなくて、私から行くって言い出したんですよ?」


「おんなじことだって! 上手く誘導されてんのっ。売れないホストだかなんだか知らないけど、それくらいの話術は持ってるんでしょっ」


「そうは思えませんけど・・・」


 会話の内容を録音しているわけではないので、証明することができません。


「そうに決まってるじゃん! 愛香から言い出さなくても、最終的には店に誘われたに決まってんでしょっ。じゃなきゃ、なんのためにわざわざ会うのよ」


 それを言われると反論できません。


そう・・・私が言い出さなくても、きっと純さんは来店を匂わせるくらいのことはしたでしょう。


でなきゃ、私と会うメリットなんてないんですから。


LINEのやりとりをして、お会いしていろいろお話して、少しくらい仲良くなれたなんて錯覚していたのはきっと私だけです。


あくまで私は純さんにとっての“客候補”の一人。


そんなの分かってます。


「あー、腹立つ。そいつ殴りに行っていい?」


 殴らないでください。


「だからホストなんて嫌いなのよ」


 幸子さんはそう吐き捨てるようにおっしゃいました。


ホストに親でも殺されたんでしょうか。


「本っ当にやめときなよ、愛香。約束しちゃったんならしょうがないけど、お店に行くのも一回だけにしときなよ?」


 最後には心底心配そうに忠告され、私はしょんぼりしたままうなずくしかありませんでした。


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