三老将
エメラルド城。
その一室に3人の老将たちはいた。
軍師、トゥーリ・アクアマリン
元帥、サンチェス・ガーネット
将軍、ラモス・アメジスト
エメラルド国の重鎮中の重鎮。若き王に対する目付け役。
時に王命すらそよ風のごとく聞き流す、老獪な古狸達である。
その中でも最年長、ラモス将軍は目を丸くさせた。
「王妃殿下のご懐妊?」
「らしいさね。タイミングがいいのやら悪いのやら」
「まあ、普段から妊の祈祷はされていましたからねえ。男児は一人では物足りないと」
トゥーリ軍師とサンチェス元帥はあらましを説明する。
曰く、エメラルド王の妃ポニャ・エメラルドが赤子を身ごもったと。
曰く、その子供が男児であることが魔法により分かったと。
曰く、ディムル王子を切り捨てた途端に次なる王子が生まれるとは、天の思し召し、この男児こそがエメラルドを繫栄させる神の現身であると。
「最後のはなんじゃい」
「知るかね。文官たちの間じゃそういう話なんだから仕方ないだろう」
ディムル王子の誘拐から数か月。
王は新たな妃も取り、新たな太子を求めた。
しかし、子種の薄い王のことだ。上手くはいかない。
貴族たちはそう考えていた。
王家の血を引く三人の子。
セリアの人質、長女サラ・エメラルド。
エスパーラに攫われた、長男ディムル・エメラルド。
そして残った最後の一人……次女サーシャ・エメラルド。
次期王に最も近いのは、一人残された12歳の姫君であった。
「サーシャ王女殿下は、王子が攫われてから次なる王としての準備をなされてきました。それは単なる教育だけに飽き足りません」
国内の有力貴族たちの間では、次代の王へと取り入ろうと権謀術数の駆け引きがなされていた。
日々昼夜を問わず図り事に囲まれ、ある程度の基盤ができてきた。
「そこにいきなり男児の誕生か……きな臭くなってきたさね」
軍師トゥーリは一抹の不安を感じた。
遠く離れた故郷の地エメラルド国。
そこで、何かが蠢いていた。
大陸歴1531年。
王妃ポニャ・エメラルドの懐妊。
その7か月後出産を迎える。
エメラルド国王子、ディーゼル・エメラルドの誕生である。
これで第3章は終わりです。
いかがでしたでしょうか?
これまでモブであった次女のサーシャがどんどん存在感を発揮していく予定です。
是非次章もお付き合いください!
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