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乱世の転生者  作者: 情熱のデンプシー
第一部 乱世転生編  第2章 友達
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少年の過去



 ローラン・アメジストはセリア王国との国境付近で生まれ育った。


 一族皆が軍に所属する武門の家系である彼は、幼いころから武芸を学び、相応の思想教育も受けていた。


 セリア王国との戦争が始まってからは、出兵した両親の代わりに年の離れた兄が親代わりであり、兄に連れられ通い始めた剣術道場の門弟たちが家族であった。


 今年の春、セリア王国との戦争が激化。


 15歳の元服を終えていた兄や道場の兄弟子たちは戦場に赴き、

 二度と帰って来ることはなかった。


 自分のことをチビだと馬鹿にしていたチュス


 飛びきり剣が強く意地が悪かったカルメロ

 

 誰よりも熱心に指導してくれた塾頭のダリル


 うざいくらい世話焼きな兄貴



 みんな死んだ。



 時代は乱世、弱肉強食の世の中だ。


 友達だなんて考えはガキの理屈でしかない。


 ならばもう誰も頼らない。


 一人で生き、そして己が大望をかなえよう……。


 視野の狭い稚拙な子供である彼は、そう考えた。


 年並みの思いを押し隠して。



 なのに、



『君と王子。友達でしょ。違うの?』



 ただの従女に見透かされた。自分の想いを。


 奥底に沈めて、押し隠していた想い。



 本当は、一人は嫌だ。



「あ、ローラン。こんにちは」


 タイミングよくディムル王子が通りかかった。


 ローランは舌打ちした。


「なんだか、いつもより顔色いいね。立ち姿が綺麗だ」


「お前ん所の痴女にマウント取られたからな。全く貞操の危機だったぜ」


「??」


 ディムルが疑問符を浮かべながら首をかしげる。


 まあ説明する気はさらさらないのだが。


「その話はもういい、それより」


 ディムル・エメラルド。


 この国の王子で、剣術始めて半年足らずの素人で、勝てるわけねえのに何度も何度も向かってくる大バカもの。


「木刀もってこいよ。今日もしごいてやる」



 ローランから誘ったのは、初めてのことだった。



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