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領地を愛する私は



剣術対決が終わると、いつもの領地の仕事に『結婚』へ向けた様々な案件が入ってきて、また長時間剣が握れなくなった。

適度には握れているから大きな不満はないが、剣術対決の気迫のこもった緊張感を味わったあとだと、物足りなさを感じてしまう。

まぁ、その気持ちを転換して仕事の活力にさせてもらっているが、そのせいで休めと言われる。

有り余りすぎているようだ。


ゼイラルの方も順調に勉学に勤しんでおり、サジリウスからも『基礎がなっているので、新しいことへの覚えも良いです』と誉められていた。

この分なら副領主としての仕事をそろそろ1つくらい教えても良さそうだ。


我々の当面の目的は『貴族へのお披露目パーティー』である。

それが終わったのちに、家の裏にある野原で行う結婚式を経て『婚約』から『婚姻』へと届け出を出す。


お披露目パーティーを式よりの先にしたのは、気楽な式を終えてから余韻に浸りたいから……いや、余韻に浸り『結婚』したのだという意識を持った方が良いとクエリアに言われたからだ。

既婚者である彼女に他の者達も、同意するような感じだったため、後となった。


場所についてだが、あの野原の先には先代達の墓地がある。

私の両親と姉夫婦も彼処に眠っているため、出来るだけ近くで見てほしかった。

バルナからは『理解はしますが、眠りについた方々の近くで騒ぐのは……』と怪訝を示されたのもあり、墓地前の花畑ではなく屋敷近くの野原となった。






――そうして彼らは(きた)る日へ向けて、更なる準備を開始したのだった。







――半年後。


――ロシュ達は貴族へのお披露目パーティーをなんとか無事に終わらせたのち、速やかに『結婚式』の準備へと取りかかり、本日その日を迎えていた。


かのお披露目パーティーでは、やはりゼイラルへと注目がいった。

1つ1つ挨拶へと赴けば、遠回しに『ロシュとの結婚は金目的か?』『領地をどうにかする気か?』などといった略奪するのではという不安をされた。

しかしゼイラルはそれにロシュのフォローを受けず、そんなとこはあり得ないと否定をし、良好な関係を持ちましょうとあしらうように言葉を返した。

これにはロシュも少しだけ驚いたが、ゼイラルの言葉に同意したりした。


そんな挨拶まわりの最中に、ロシュが照れを感じさせた言葉をゼイラルは発した。

発端は貴族の1人が連れてきた子息が、『よくもそんな男のような女を嫁に出来るな?』とハッキリとした嫌みを言った。

だがそれにもゼイラルは慌てることなく、淡々と



『貴方は外見しか見えてない。ロイヴァルッシュさんはとても素敵な女性です』



初対面の貴族の子息に緊張もせず淡々いう様に、ロシュは口元から溢れそうなる笑みを抑え、その場を後にし別の貴族の元へ向かう。

その途中にロシュはゼイラルに『さすがは私の夫だな』と声をかけた。

彼は恥ずかしさで顔をほんのりと赤らめた。

のちにあった貴族に『体調が……?』と心配をされていた。





――そんなお披露目パーティーの事を思いだしていたロシュに、準備ができたとバルナがロシュを呼びに来た。



「いま行く」



――ロシュは野原に設置された大きなテントの中で、クエリアが製作した衣装を身に纏い、髪や化粧を整えて呼ばれるのを待っていたのだ。


外へ出るとサジリウス先導のもと、そのまま野原に設置された式会場へと向かった。

ウッドデッキを使用した会場が見えると、参加している者達が着席して待っていた。


その奥には司祭とゼイラルが私の到着を待っていた。


ロシュはゼイラルの待つ場所へ、サジリウスと共に向かう。

バージンロードは花嫁の一生を意味する。

諸説あるが、花嫁の一生の中で長くいた男性に付き添われて歩くという。

それに習い、ロシュはサジリウスを選んだ。


イブランでも良かったのだが、一般的には『父親』が隣を歩くという目録を見たロシュは、イブランは『父親』というより『師匠』だな、と思いサジリウスにしたというわけだ。


サジリウスと離れゼイラルの横に並ぶ。



「似合ってるぞ」

「ロシュさんも、お似合いです」

「…よろしいですか?」



――ロシュとゼイラルが衣装が似合ってると話すと、司祭に進行を開始していいかと問われて、意識を式へと戻した2人は、滞りなく、永遠の愛を誓った。





恋を知り、恋を叶えたロイヴァルッシュ



1度は挫けた恋を、諦めずに一途を通し叶えたゼイラル



そんな2人に幸せを願う花びらが振りかかった――――







挿絵(By みてみん)






「ゼイラル――」



――チュッ。



「!!!」

「頑張って、作ろうな?」







その後。

2人体制となったグランツェッタ領は更に繁栄をし、他国から『第2の王都』と呼ばれるほど知名度を高めていた。

だが、グランツェッタ領はあくまでも『領地』であり、王都があるから領地が繁栄できている国の1領であるという姿勢を崩さず、国にも繁栄をみたらし続けたのだった――――









ここまで読んでいただきありがとうございました。



書きたいけれど書けなかったことは、番外編として度々投稿します。時系列などはバラバラですが。



再度繰り返しますが、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。





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