表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/372

14.忠義を尽くす


クア=お金のこと


店主との話し合いが終わり、元レイラの部屋でアリエスが入れた紅茶を飲み一息ついていた。


ベッドのシーツ代と迷惑料で店主には謝礼金5万クアを支払うことになった。

本当は20万クアを払うと言ったのだが、店主がそんなに貰えないというので、店主の言い値から5倍にして支払うことにした。5万クアも多そうな顔をしていたか、迷惑料も含まれているというと渋々と店主は引き下がった。



「迷惑料と考えたら多くはないだろう?」

「はい。ロイ様のご判断は正しいかと。店主が謙遜し過ぎなのだと思います」



アリエスに意見を求めると、私は間違ってはいないと思った。



――コンコン。

「失礼します~。ロシュ様~、レイラ様が起床されたので、馬車を宿の前に持ってきてもよろしいですか?」



部屋に入ってきたクエリアが、馬車の移動を申し出た。



「まだだ。兵士長との話し合いが済んでいない」

「も~。仕事の遅い人達ですね~」

「私達が早すぎるんだ」

「早すぎなくはないと思いますけどね~」

「それよりも。レイラは朝食がまだだろう。馬車よりもそちらな方が先だ」

「はっ!そうですね~!ジェミネにも準備させます~!」



そう言ってクエリアは部屋から出ていった。



「仕事熱心ですが抜けている所をもう少し直してほしいですね。あの人がバルナさんの娘だとは思いたくはありません」

「少しくらいはいいだろう」



アリエスは、バルナをメイドの鏡として尊敬しているため、クエリアのようなふわふわとした口調で私やむすめ達に接するのも、バルナの娘であることにも反抗したくなるようだ。



「ロイ様がそうおっしゃるなら……」

「まぁ、レオも最近抜けているところがあるか――」

「はっ?レオが?」



抜けている行動をとっているのはクエリアだけではなかったなと思い口にして、しまったと思った。

レオのことを喋った瞬間、アリエスから怒気が溢れだしているように見える。


主に忠義を尽くすことがアリエスの信条。

それを騎士であるレオにもしてもらいたいと常々思っているようなのだ。強要とまではいっていないため放置していたが、



「ロイ様。申し訳ないのですが、詳しくお聞かせ願いますか?」

「あ、あぁ……」



アリエスの怒気発し方がバルナに似てきているのは、少し厄介だなと思い始めた瞬間だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ