13.夜の出来事~万が一は功を奏する~
夜。皆が寝静まった頃。
――コンコン。コンコン。
「ん……」
「ロイ様。ロイ様」
私の部屋を訪ねてきたのはレオだ。
訪ねてくる事を知っていたので、私はテーブルの椅子から離れてドアを開けた。
「ご報告します」
「あぁ」
ドアを閉めた後、私は椅子に戻り、レオは私の前で淡々と声を抑えて報告を話しだす。
「複数の男が、レイラ様の部屋だった場所を襲撃。先んじて手を打っていたので、無事犯人達を町の兵士達に引き渡しました。明日。事情確認のため、兵士長がこの宿を訪ねるそうです」
宿に入ってきていた時からレイラを見て、下心をさらに悪どくしたような薄ら笑いを浮かべていた男達がいた。
レイラを可愛い子だなと見つめているだけなら害はなかった。しかし、男達は町に散策に行ったレイラ達の後をつけてきていたとメダから報告があった。
そこで私達は万が一を考え、レイラの寝床に囮役のレイラのメイドジェミネと確保担当のメダ、そして取り逃がしが無いように宿の外に私の専属騎士、ベガを配備した。
我が家にいる騎士・メイド・執事・庭師・料理人全ての使用人は、剣術を心得ているので致命傷を負うことはない。
結果的に男達は襲撃しに来た時点で、襲撃は予測されていたということになる。
「分かった。皆に怪我はないな?」
「はい。被害はメダが防御に使ったベットのシーツが切り裂かれたくらいです」
「…店主には代金を上乗せしなければな」
「そうですね」
怪我がなく良かった。特にジェミネはレイラと年が近いので心配していた。
「話は以上だな?」
「いえ。一応警備のためこの宿の見回りに兵士を配置するそうです」
「分かった」
「話は以上なので出ます。失礼しました。ロイ様、レイラ様」
「あぁ」
「すぅ…すぅ…」
寝床を変える必要があったため、レイラには私の部屋で寝てもらった。
レオが声を抑えて喋っていたのは、寝ているレイラが起きぬよう配慮してのことだった。
私はレオが部屋を出たのを確認してから、ドアの鍵を閉め、レイラの隣で眠りについた。
翌朝。
レイラより早く起きた私は、寝間着から私服に着替えると部屋を出た。その訳は、アリエスとレオだ。
「「おはようございます。ロイ様」」
案の定、部屋を出ると、私の起床時間を把握しての出待ちをしていた。
待たれる身にもなってほしいが、注意してもしばらくはやめる。が、また始める。
その繰り返しがあって、私は2人を注意するのをやめた。
「ロイ様。見回りの兵士に言って兵士長に来てもらうようにいいますか?」
「来てもらうようには言わなくてもいい。ただ起床していることは伝えておけ」
「はい」
レオは私に一礼すると、兵士に伝えに行った。
「ロイ様。現在、店主の起床が確認できています。都合も今の時間帯は良いようです。お会いになられますか?」
「あぁ」
「では先導させていただきます」
「あぁ」
私はアリエスについていき、店主と話をした。
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