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武器を手に入れよう

レインに拾われて一週間。

ただいま、宿屋で朝食中。



「月華、セフィリア洞窟に行ってみないか?」



何いきなりアホなこと言ってんだ、この悪魔は?

口の中に入ってるトマトを咀嚼し、飲み込む。



「レイン、いきなりどうしたの?何でセフィリア洞窟に?」



セフィリア洞窟は魔力が多大に含まれた、上質な水晶が採れることで有名だ。

魔法使いなどはここの水晶を使うことが多い。

だが、三百年ほど前からセフィリア洞窟に入ると死ぬ者が出てきた。

その死に方は心臓が凍っているんだとか。


まだトリップして一ヶ月と三週間なのに、死ぬかもしれないのは嫌だ。


じと目で見ながら口に千切ったパンを入れて噛む。あ、ちょっと固いけどクルミとか入ってて美味しい。

パンを味わいながらレインからの言葉を待つ。



「いやー…ちょっとなー…」



あははと目を逸らして苦笑する。

怪しいぞ、レイン。

部屋に戻ったら問い詰めるか。

そう思いながらサラダに入ったキャベツを口に入れた。






レインが部屋に入った瞬間、結界を張る。

部屋を覆うように、隙間も無く張った結界。

それに気づいたレインは顔を青ざめさせる。

その反応ににっこりと笑う。



「お父さん、話してくれるよね?」



ベッドに座って腕を組みながら冷たい目になる。

レインは即座に床に正座する。


お父さんのそういうところ、大好きだよ?


レインがしてくれた説明によると、セフィリア洞窟には武器があるらしい。

その武器を入手しに行かないか、ということだとも。

確かに武器は欲しい。

なりそうなもので私が持ってるのはナイフくらいだ。



「武器かぁ…」



あったらモンスターと戦う時にいいだろうなぁ。

レインに任せっぱなしじゃなくなって、良くなるし。


そんな私の思考に気づいたのかレインがさっきから、こっちを見てくる。



「な?悪い話じゃないだろ?」



武器はね。



「……うん、俺が悪かったからその冷たい目はやめて」



会った時はかなりかっこよかったのに、残念すぎる。

ついでに心を読むのやめ………いや、喋るのめんどくさいからいいや。



「月華ちゃんがひどい……」



気のせいだよ、レイン。

あとね……私は武器よりも、セフィリア洞窟にいるものが気になってるんだよ?

いくらそこに武器があっても、命は一つだけだし。

心臓を凍らせて殺すものがいるんだよ?



「……きちんと守りますから」



それなら行くけど。



「てか喋って!お願い!」


「めんどくさい悪魔だな」



あ、撃沈した。

なんだろう、この残念な悪魔は。

本当に憤怒の悪魔、サタンなのかな?

私、信じられなくなりそうだよ。


ため息を吐き出しながら結界を解く。

なんか撃沈してるレインの頭にヤバそうな色の、煙が出てるキノコが生えてるし。

またため息を吐き出して、私はセフィリア洞窟へ行く準備をする。


準備が終わるまでにレインが復活してるといいけど。

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