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仲間が出来ました

この世界の名前はクレアート。

ある人が言うには、イタリア語で世界らしい。

まんますぎると呟いたら苦笑されたが。


この世界には六つの王国がある。

フィアンマータ王国、ネヴァート王国、アーリア王国、キアーロ王国、スクレッツァ王国。

それぞれの意味はイタリア語で火炎、氷雪、風、光、闇。

この世界では国名はイタリア語が絶対なのか?

けれど、村とか街とかはイタリア語じゃないんだとか。

意味分からん。


私がいたのはフィアンマータ王国らしい。

らしい、というのはあまり覚えてないからだ。

覚えてるとしたら友人くらいかな。


私は約二週間、一人で旅に出てた。

ちびちび食べてた食料が尽きかけたところで、ある人に拾われたんだよね。

まぁ、拾われたって犬や猫みたいだけど…。



「どうした、月華?」



ちょうど声をかけてきた人が私を拾った人だ。


ポニーテールにされた腰まである髪は黒に見えるが紫がかった黒で、光に透かすと紫になって綺麗。

その瞬間は私のお気に入りである。

瞳は濡れた黒曜石のような黒だが、能力を使うと金色になる。

意外と細身で筋肉質。

チャックを胸下まで開けた、黒いツナギの下は下着以外は身につけていない。

本人曰く、「羽が出せなくなる」だそうだ。

靴は知り合いが作って、本人には簡単に着脱可能なバトルブーツ。

左の手首には金のアクセサリーを大量に着けていて、動くとじゃらじゃら音が鳴る。

なのに戦う時には鳴らないから不思議。

自己申告で身長は185、年齢は……見た目が二十代前半な、不詳。


見上げると頭を撫でてくれる。



「なんでもないよ、レイン」



彼はレイン・フェリス、私を拾ってくれた“悪魔”。

本名はサタン、七つの大罪の一つである憤怒の悪魔だ。

この世界には人外が普通にいるとレインは教えてくれた。


ちなみに拾われた経緯だけど…間抜けかもしれない。

レインは村の近くにいた時に、肉を食べたくなったらしいが、街とかまで行くめんどくさくなったらしい。

それで村を潰して家畜を焼いて食べようと考えた。

その時の私は食料補給兼ちょっとした仕事探しのため、その村に行ったんだ。

んで、会ったんだけど……。

あの時、ただ単に私と同じ世界出身の人かと思って声、かけちゃったんだよね。

ぎろりと睨み付けられ、殺気を放たれた。

怖かったよ、勿論。

でも、あれくらいならモンスターに食べられる直前の方が怖かった。

覚えたての、初成功だった魔法で倒せたけど。

とりあえずお腹空いたのかなと思い、食料である残り三つの干し肉全部を差し出したら。


ぺろりと全部平らげたんだよ、この悪魔。

私からしたらけっこうでかくてお腹に溜まるから、一つで一日分だったからびっくりした。

で、食べたかった肉を食べて落ち着いたのかレインの雰囲気とかすぐ柔らかくなって、何で一人旅してるか聞かれた。

……馬鹿正直に答えたら、呆れたのと面白いってのが混ざった表情になってた。


その後に干し肉くれた礼もあるからと、拾われた。

本名と偽名もそこで教えてもらった。

偽名で呼ぶように言われたけど。

たまにお父さんって呼べとも言われたけど。

それは丁重に断ってある。

でもしつこいので何かあった時限定にしよう。



「ならいいが…」



なら人の髪をぐしゃぐしゃにする手を離せ。

鳥の巣になりそうだから。

てか、なってるから。


天宮月華、十二歳。

仲間(保護者?)をゲット。

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