三年後
一気に飛びます。
物語的意味な空白の三年間は、本編か短編で。
「『フレイムストーム』」
炎の嵐が起こり、敵を燃やし尽くす。
灰も残さず燃えたのを確認し、魔法を解く。
「『キュア』」
下級治癒魔法を自分にかけ、傷を癒す。
ふと別行動をしていた今回の仲間が戻ってきた。
一人はところどころツンツンとした、重力に逆らった短めの金髪に青い瞳。
端正だが童顔であり、どこか親近感がある。
耳は人間のより少し長く尖っていて、肌はかなり白い。
服装は簡易なもので、濃緑のシャツとズボンに茶色のブーツ。
胸部と背部を覆うタイプの、銀のプレートアーマーをつけている。
彼はジェリー、エルフの青年だ。
名前を聞いた時、某猫と喧嘩するが親友なネズミを連想したのはご愛嬌ということで。
もう一人はふわふわとしたボブカットの茶髪、ピンクの瞳。
可愛らしい顔立ちで眼鏡をかけていて、どこか瞳に無機質さを感じさせる。
左耳には菱形の、虹色に輝く水晶のピアス。
服装はタンクトップにハーフパンツ、レザージャケットで全部黒い。
彼女はユリア、人間の女性だ。
最後の一人は腰までの紅い髪を首の後ろで括り、琥珀の瞳。
中性的な美しい顔立ち、どことなく漂う妖艶な雰囲気。
シンプルに黒いズボンとワイシャツ、そして灰色のロングコートを来ている。
両手には黒のフィンガーグローブみたいな、グローブ。
彼はユウ、人間とインキュバスのハーフの青年。
彼らはチームを組んでいる。
チームとは同じギルドに所属する者が最低でも三人集まり、申請することで出来るシステムだ。
ただし、必ずチームを作れってわけじゃない。
中にはチームにならず単独行動の者もいる。
チームを作るか否かは自由だ。
私は基本、鈴蒼かレインと行動しているがチームではなく、単独行動に近い。
なので、何かあるとどこかのチームと一緒に依頼に行くこともある。
「月華、ここにいたのか!?」
「大丈夫?」
「かなり探したんだぞ」
「大丈夫、ここの奴らは弱いから」
苦笑して答えると安心したらしい三人。
ちなみにジェリーはアーチャー、ユリアは格闘家、ユウは剣士だ。
それぞれランクはA。
私?
私のランクは……Xだ。
最高ランクだよ…はぁ。
地道にランクアップしてたが、ある出来事で一気にXになったんだ。
解せぬ。
「それじゃ、早くウォーターバードを倒しに行きましょ」
そう言うユリアに頷く。
ウォーターバードとは体が水で出来た、人の五倍は大きい鳥のモンスター。
水で出来た体のため、剣などで斬ってもそれほど効かない。
唯一効くのが氷魔法である。
だが素早い上に魔法の詠唱中に襲うし、上級水魔法を使うこともある。
そのウォーターバードはBランクのモンスター。
なかなかに強いがまったく倒せないというわけじゃないから。
私が彼らといるのは鈴蒼が氷を操るから。
斬って凍らせる、このあり得ないことが出来る数少ない存在。
だからウォーターバードにとっては天敵という。
まぁ、鈴蒼は私の中で寝てるが。
「ジェリー、ウォーターバードを倒したら今日の依頼は終わりか?」
「ああ」
ユウが確認するように聞くとジェリーが頷く。
そうなのか、それなら私の依頼にも付き合ってもらおうかな。
「月華の依頼って何だったっけ?」
「ウォーターバードの氷」
そう言うとユリアの口元が引き攣った。
文句なら依頼主に言ってくれ。
まぁ、ウォーターバードは凍らせたら砕くからいいけど。
そう思いながらウォーターバードを探した。
依頼を終えて家に入る。
人型になって私から出てきた鈴蒼は、すぐに台所に行く。
それについていくとレインが料理をしていた。
料理してる憤怒の悪魔とか誰特ですか、お父さん。
そして鈴蒼、さりげなくレインの見えない角度で気配消してつまみ食いすんな、ご飯が減る。
天宮月華、十五歳。
ただいま、こんな感じの日常を過ごしています。




