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余興と依頼文
三叉路通りの橋の端の、不老と言わるる藤大樹
通りがかった男がひとり、殺めらえたは四代目清明
影林鬼と名乗るもののけひとつ、藤の枝下現れる
兄を殺され椿輝姫、復讐せんと陰陽師
薊彦なる男出現、藤美禰、山茶花、千年狐
生まれ変わった菊の夜の、揺れる香りはいまだ変わらず
空を見上げる藤美禰に、幸福あるかは、いざ知らず
さぁ さぁ
はじまり はじまりぃ
◇◇◇◇◇
依頼文
自分は旅芸人で、先日 京へと一座を連れて参りました
座にて一興演じております 少しは名の売れた新星一座で御座います
あなた様に 今回 文をしたためさせていただくのは、
あなた様のうわさを 旅の方々で聞き知っているからであります
あなた様しか、思い当たる節がございません
どうか どうか ご相談に乗ってはいただけませんでしょうか
一座の者が、もののけに憑りつかれてしまったのやもしれないのです
うわさによると、あなた様は 稀代の陰陽師 清明の称号を持つ御方を見知るとか
いざ どうにか 京にいる間に、ご相談いたしたく候也
明陽街 西洋館 主 宛て
日向 直志 殿 へ
紅茶一座 座長
羽衣門 より




