表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/42

猫好奇心 ▶︎尻尾むぎゅっ


 2匹でお風呂に入る。

 ナナヤから見て、ルルルフの家のお風呂はきちんと整頓されている。

 シャンプーや石鹸が、キチンと棚に収められているだけで、毎度驚いてしまう。


「ところで……シャンプーじゃミャい瓶があるけど、これは何かミャ?」

「香油ニャ……って、うちに泊まる事、結構あるニャよね?」

「こーゆ? 使わないミャ」


 ルルルフは、香油の役割を教える。

 しっかり洗っていても、パサパサ毛並みだと、見すぼらしく見えちゃうし、櫛の通りも悪い事を伝えると、ナナヤは首を傾げっぱなしだ。


「クシ?」

「お風呂上がりに櫛をかけると、毛が絡みにくくなるニャ。あと、短い毛でも毛並みが綺麗になるニャ」


 香油の効果を聞いても、まったくピンときていないナナヤは、口を開けっぱなしで首を傾げる。


「ニャんでもトライしようニャ! あとで使おうニャ」

「ま、待つんミャ! 猫好奇心(ねこーきしん)は、身を滅ぼすミャ!」

「ルルルフは滅んでニャいから、平気ニャよ」


=・ω・=・ω・=・ω・=

 

 お風呂から出ると、ツヤツヤのネコが鏡の前で並んでいた。


「誰ミャ、これ」

「ナナヤだニャ」


 暗めの灰色の毛ではあるが、艶があり光が当たっている部分は白く見える。

 鏡の前には、いつものダルさ全開なナナヤではなく、ちょっとだけシャキッとしたように見えるナナヤが映っている。

 毛艶で印象も変わる驚きを知り、ナナヤはパチパチ瞬きが止まらない。


「ミャ、ミャ、ミャーーー!! こんなお上品に見えるネコがナナヤとか、ありえんミャーーー!!!」

「長毛のカーチェは、もっと丁寧にお手入れするんニャよ」

「こ、こ、これより、丁寧にミャ?! そんなの大変ミャ」


 わたわたと手足をバタつかせて、ナナヤは動揺を隠せずにいる。


「こうやって、たまーにお手入れするのも大事ニャよ。自分を大事にするのも、必要ニャ」


 喉をゴロゴロならしながら、ルルルフは気分あげあげの言葉を渡す。


「オシャレカーチェたちは、こんな事を毎度やってるのかミャ……大変ミャ……」

「大変の後にとっても満足できるから、頑張れるニャよ。ナナヤだって、ちょっと手強いモンスター狩ったら、すごい満足感あると思うニャ」

「爽快ミャ! ナナヤ、頑張ったミャ! ってなるミャね」

「手強いモンスター狩るために、武器のお手入れしたり、トレーニングしたりするのと、似たようニャもの」

「そういうモンなんミャね〜」


 方向性は違うが、結果のために努力するという事は一緒なので、ナナヤは納得したようだ。


 そして、風呂上がりのミルクを一気飲みして、口の周りに白髭をつける。


「フサ猫せんせーみたいだミャ!」

「フサ猫せんせーは、ミルクが付いても、わからニャそうだニャ」


 ゴロゴロ喉を鳴らして、尻尾をパタパタ動かしてご機嫌そうな2匹。


「明日はお休みだミャ。夜更かしするミャー!」

「だめニャ。ルルルフ、明日採取に行くから早起きするのニャ。お寝坊すると、朝ごはん食べれニャいよ」

「ミャっ?! ナナヤも採取についていきたいミャ!」

「わかったニャ。なら、もう寝るニャーよ。日の出前に出発して、朝露いちごを採るのが目標ニャ!」


 そう言いながら、ルルルフは台所に立ち、ご飯支度を始める。


「寝るんじゃミャーの?」

「朝ごはん作ってから寝るニャ」

「ナナヤにも出来ること、あるならやらせてミャ」


 家事初心者に、いきなり何かを作ってもらう事はさせられないので、ルルルフはどの棚のどこにある何を取ってもらうか、丁寧に説明する。


 自分で取った方が早いけれど、お手伝い意欲があるうちに覚えてもらい、小さな事からやってもらう事にした。


 そして、朝ごはんの準備まで終わると、2匹は眠りについた。


=・ω・=・ω-=-ω-= Zzz



 前日に朝ごはん準備をしていたので、すぐに朝食を食べる事が出来た。そして、朝ごはん準備のついでに軽くお昼用のご飯も準備していたので、お弁当と水筒を持つ。


「採取カゴはこれミャ?」

「そうニャ。よくわかったのニャ」

「ルルルフが採取行く時に、このカゴ使ってるの、ナナヤ知ってるミャ!」


 あれ? 意外とよく見ている。ルルルフが真っ先に思ったのが、それだった。

 ナナヤが汚部屋製造ネコなのは、片付けを教えてくれるカーチェが居なかったからなのか? そんな疑問が浮かぶ。


「もう1個同じ採取カゴがあるから、それをナナヤは使って欲しいニャ」

「わかったミャ」


 そして、2匹は森に出かけた。


「採取って、どうするミャ?」


 狩りをするカーチェは、採取をする者があまりいないので、採取方法はわからない。


「今日の目的は、イチゴとお薬にニャる草と、ニンゲンの町に売りに行く鉱物ニャ。それを採るのに質がいいものを見るんだニャ」


 村の様子を見て採取する物を決めたり、村のカーチェに欲しい物を聞いたり、頼まれたりするので、それを取りに行く。

 森のすぐ近くに、朝露を滴らせたイチゴがなっている。


「まず、これニャ」


 実がなっている場所から、5センチくらい先の茎を切る。


「ここらへんの茎を切ると、またのびてくるニャ」

「茎と実の境をプチリじゃミャーのか」


 植物の特性を教えながら、森の恵みをもらう感謝を忘れないよう、ナナヤに教えると、ナナヤは採取跡のイチゴの茂みにペコリとお辞儀をして、「もらいますミャ」と告げる。

 次は鉱物だ。


「鉱物って、岩山とか洞窟にあるんじゃミャーの?」

「ルルルフ、この森で見つけたのニャ!」


 そうして、ルルルフに続いて森の中をナナヤは辺りを気にしながら歩く。そして耳が音を捉え突然ルルルフの尻尾を掴んだ。


「ニャギャッ」

「モンスターの気配がするミャ」


 カーチェ自体、気配察知能力が高いのだが、魔物退治をするカーチェは、さらに高い者が多い。

 モンスターに気づかれる前にこちらが気付けるので、ナナヤはルルルフにいち早くそれを伝えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
わ! 続いた(´⊙ω⊙`)! モンスター注意! …てか、 >ナナヤが汚部屋製造ネコ ↑ひでえ(笑) 頑張れナナヤ(*´ω`*)
人間と違って全身に毛が生えてるから大変そうだな、猫型獣人さんのお風呂。いや、彼らは毛が短いから肌を洗う感覚で普通にいけるか? 総量的には長髪の人間と同等くらい…? うん、やっぱり大変だな。 しかし、…
大人しくて狩りやすくて、なおかつ美味しい魔物でありますように〜(*人´ω`*)←既に狩り尽くされそう(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ