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波打つ  作者: 北川
8/10

8.仕事

就職氷河期世代の僕は

若いうち何をやっても長続きしなかった

というか、早くやめたほうが良い会社もあった


銀行員になりたかったが面接で落ちまくった。


初め、友人の紹介で入った会社は本物の詐欺会社

半年で辞めた。

次に入った会社は示談屋だった。

若い僕にはかなりハードな仕事だった。1年くらいで見切りをつけた。


次はまともな会社に入った。今では一部上場企業に。

成績も出して出世し、ここで一生終えると思った矢先に

私生活で結婚破断があり、何もかもが嫌になり仕事を辞めた。

何度も引き留めてくれた。

後に違う仕事に就いている時も戻ってこないかと言ってくれた。

この仕事の取引先のホテルで結婚式をやる予定だった。

その取引先の社長が

『何もしないなんて母親に迷惑をかけるからウチに来い』

と、言ってくださり仕事もしないのに1年くらいお世話になった。


帰国後に適当に面接に行った、内容もよく読まずに。

学歴が足りていなかったり、語学力も足りていなかったが

面接してくれた方が僕の生き方が面白いから

『明日からでも来なさい』と言ってくれた。

仕事も楽しく仲間にも恵まれた。

周りの人が僕を持ち上げてくれて、素晴らしいポジションを与えられた。

僕がやりたい事を全てやらせてくれた。

15年目の正月に僕は家族にこう言った

『宝くじが当たったような生活だ、何があっても一生辞めない』と。

いつも思っていた事を初めて口にした。

その年の6月に我慢できないことがあり、来年は契約しない事を会社に伝えた。

家族に相談もせずに。


辞めて自分で仕事を始める準備をしていたが

最後の土壇場になり

『私はサラリーマンの奥さんになりました』

と、言われ途方に暮れた。


ある日、仲間と飲んでいてこの話をしていたら隣の席の方が

『今、話しが聞こえてしまいました、ウチの会社に来てもらえませんか』と。

その方は会社の部長で『会社を変えてほしい』と内情まで話してくれた。

後日、面接に伺い熱意に負けた。未経験の僕にポジションも与えてくれた。

同族企業で大変な会社だった。

経営者が想像できないくらい、永遠に膨大な利益が続く仕事を数件決めた。

システムも構築した。

その時から僕は会社には不必要な人間になった。


悩んでうつ病になった。

家族は今の仕事を辞める事を薦めてくれた。


現在の仕事は何も責任がなくただのサラリーマン。

いい年して入社してきた馬鹿にされる存在。

それでいい。

とにかく我慢して将来に希望を持ち。


しかし、うまくいってる時に

いつも終わりが来る。





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