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愛知県警のケイドロ プロローグ 4

 桐谷世羅は口元を歪めながら

「ああいう、一つ乗り越えるたびに変化していく奴が何かを大きく動かして行くんだろう」

 と心で呟いた。

「最初の時は『辞めれる――って泣いて喜んでいた』奴がな」


 将は省吾を見ると

「根津、愛知県警本部の人員全てのデータを出して欲しい」

 と告げた。

「戦は敵を知り己を知るところからってあるからな」


 翼も由衣も頷いた。


 そして翼はフゥと息を吐き出すと

「東大路、俺はJNRにいたけど他の地域の人員は分からない。ただJNRの内情は分かるから行動の先を読むことは出来し警戒する人間の特徴もある程度はな」

 と告げた。

「だから、注視するべき人間を選ばしてもらいたい」


 将は笑んで

「ああ、頼む」

 と言い、由衣を見ると

「菱谷は根津と一緒にこれから言う条件が当てはまりそうな場所を探して確保してほしい」

 と告げた。


 由衣はハッとして省吾と顔を見合わせて同時に将に視線を向けた。


 将は彼らを見回して

「次は……警察らしくケイドロゲームをする」

 と言い

「特殊ルールを追加してな」

 と付け加えた。


 桐谷世羅は課長机に座りながら彼らの話を聞き口角を軽く上げた。

「初っ端としては纏まっている方か。問題はありそうだが……勃発するまで俺は高みの見物をさせてもらうか」

 ……鉄じゃねぇが叩いて不純物が出てこそ強くなるからな……

「俺はその時に壊れないように強くなるように誘導することが仕事だ」

 できるだけ楽したいからなぁ、とノンビリと考えていた。


 由衣は将の言葉に

「わかったわ」

 と笑顔で応え

「条件を教えてちょうだい。それから必要な設備品や装備品も、根津さんと協力して整えていくわ」

 と答えた。


 省吾は不意に手を上げると

「あのさ、警視庁と大阪府警は学校だったけど……俺たちと同期って卒業しているけど」

 とコソッと告げた。


 全くその通りである。


 将も翼も目を見開いて顔を見合わせると同時に桐谷世羅を見た。重要なところがポケっと抜けていた。


 桐谷世羅は笑って

「確かにそうだが交番勤務と言っても実習生で学校とは完全に切れてはいない。だから全員集めることは可能だ」

 とさっぱりと告げた。

「その手配は問題ない。俺が手配する」


 募集は都道府県ごとの独自募集独自採用だが統括は警察庁だ。だからこそ大阪府警や他の県警の募集人員を急遽抑えることが出来たのだ。

 勿論、そんなことは極々稀で普通はそんな干渉はしない。


 つまりそれだけ状況は緊急事態ということである。

 そしてその状況はまだ続いているのだ。


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