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1匹目:『黒猫』の人々

ファンタジーです。初なので、分かりづらかったらごめんなさい。

かつてアヤカシや物の怪たちなどの『鬼』が世を歩き回っていた平安時代…

鬼は人を襲い、喰らい、糧としていた。


そんな鬼たちを退治するため、『祓い屋』と呼ばれる職業が存在していた。

『祓い屋』を生業としていたのは陰陽師や法師だった。



彼らは鬼を退治する不思議な力と武器を持って人々を守ってきた。


あれから千年弱………………

時代も文化も大きく変動していったが、

鬼は相変わらず世間を騒がせていた。


そして今でも、この時代には『祓い屋』が存在し、鬼から人を守っていた。

かつて『祓い屋』をやっていた陰陽師や法師の末裔たちが……………



◆《第1話》




周りを海に囲まれた島国『日本』。

その中心にあたる、ここ東京は

もっともにぎわっている都市だった。

東京は最も人口が多く、活気に満ち溢れている。


日本全体を見ると、全人口のおよそ1割、あるいはそれ以下が『祓い屋』、残りがいわゆる“普通の”人だ。

祓い屋は誰でもできる仕事ではない。



鬼を退治すると、祓い屋には給金が出されるシステムになっている。話せばかなり長くなってしまうので、とりあえずこの辺にしておこう…………今回は。



――――――――さて

東京はそれがまた小さな街々に分けられているのだが、その中でも『新宿区』と呼ばれているこの街、物語はここから始まる。



「おいリョウ!コーヒーなんて飲んでないで掃除を手伝えよ。もうすぐ開店時間だぞ」


そう言ってモップを持って立っているこの男は『大原(オオハラ) 薙砂(ナギサ)』、通称ナギサ。ここは新宿にある少し小洒落た喫茶店『黒猫』。

ナギサはここで働いている。


「わかったわかった!やるからちょっと待ってくれよ」


はぁーヤレヤレ

と言いながら席を立ったこの男は

高峯(タカミネ) (リョウ)』、通称リョウ。

同じくここで働いている。



この二人の本業こそ、『祓い屋』こと鬼退治なのである。

祓い屋は普通、パートナーを組むことが多い。もちろん一人でやっている者もいるがだいたいが二人ペアで活動をしている(何故かは分からないが)。リョウはナギサと同い年で、二人はパートナーを組んでいる。


「はい、これ使って窓拭いて」


そう言って渡してきた雑巾を渋々手に取るリョウ。

口が見事に“への字”に曲がっている。


「ちぇー」


マグカップに入ったコーヒーを一気に飲み干して立ち上がった。


「ちゃんと働かないとバイト代出ないし出さねぇぞ〜?」


ニヤニヤ笑いながら奥のカウンターから顔を出したこの男こそ、喫茶店『黒猫』のオーナー、『草薙(クサナギ) 蒼馬(ソウマ)』通称ソウマさんである。


一番年上の23歳。がっしりとしたガタイのいい彼の体にエプロンはかなりミスマッチだ。

鍛えられた体から繰り広げられるお菓子づくりは必見だ。


「そうだそうだ。ソウマさんもっと言ってやってよ」


「俺はちゃんと働いてるよ!ただ朝のコーヒーくらいゆっくり飲ましてくれってことだよ!」


「さんざん飲んだじゃないか。今何杯目だよそれ」


リョウとナギサの二人はいつもこんな感じ。


「まだ……………10杯目」


指を折りながら数えるリョウ。


「リョウ、今日のコーヒーはどうだ?」


手をエプロンで拭きながらソウマが訊いた。


「ちょっとクセがあるかな。豆変えた?」


「あぁ。なんか珍しい種類らしいんだけど、ブラックには向いてないみたいだな……」


「これの味なら、ミルクと相性いいかと」


「なるほど。」


「ちょっと!さりげなく話の論点ズレてる!てゆうかソウマさんも開店準備!」


リョウの言葉にハッとする二人。

その時


カランカラン



喫茶店の扉に付けられたベルが店内に響く。


「あ、すみません、まだ開店時間じゃ………」


入ってきたのは大きな紙袋を持った少年………とゆうか子供だった。


「なんだ、昴か」


「何の騒ぎですか?朝っぱらから」


「おかえり、昴。おつかいご苦労様」


昴と呼ばれた彼から紙袋を受け取るソウマ。


「ただいま帰りました、ソウマさん」


朝生(あそう) (すばる)』かなり幼い顔だちをしているが彼はこれでもリョウやナギサと同い年。

身長もかなり低いため、一緒にいると弟に間違えられたりする。

しかも身長の高いソウマといた時にゃあ

「お子さんですか?」と訪ねられるなんて日常茶飯事。


彼は幼い頃に病気で左目を失明したらしく、常に頭から斜めに包帯を眼帯代わりに巻いている。

髪も長く、まつげも長いため、女の子に間違われることもしばしば………



「朝からなんの騒ぎですか?外まで丸聞こえですよ」


「リョウが働かないって話をしてたんだ」


「働かないんなら切り捨てちゃえばいいじゃないですか」


そう言ってニコッと笑う。

見るもの老若男女問わず虜にしてしまうようなその純粋な笑顔に反して、昴は結構黒いことを言うことがある。


「!!!」


青ざめた顔でソウマと昴の顔を交互に見るリョウ。


効果はばつぐんだ。


「……リョウ」


ポンポンと肩を叩き、最高責任者のソウマがハァと短いため息を一つ。


「短い間だったけど………今までごくろうな」


「大丈夫…………俺たちはずっと友達さ………」


ナギサが涙を拭う動作をする。


「えっ………………え!?」


「どうか体に気をつけて下さいね………」


「え―――――――――――っ?!?!」

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